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2022年3月期ラストの出店! 「ヤオコー和光南店」開店レポート

ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)は2月25日、埼玉県和光市に「ヤオコー和光南店(以下、和光南)」を出店した。和光市内へは昨年10月にオープンした旗艦店「和光丸山台店」に続いて2店舗目の出店となる。2022年3月期ラストの出店となる同店では、どのような売場づくりをしているのか。開店時の状況をレポートする。

ヤオコー和光南店の外観

和光市2店舗目!旗艦店とともにドミナントを形成!

 和光南店は、東武鉄道・東京メトロ「和光市」駅から直線距離で約1.8kmの場所にある。交通量の多い「越後山通り」沿い、田畑と民家があったと土地を開発して新規出店した。店舗周辺は住宅街が広がり、理化学研究所の施設や国税庁の研修施設などもある。商圏とする半径1km圏内には、1万1000世帯/2万5000人が居住する。

 肥沃なマーケットだが競合は少なく、「ベルク和光西大和店」「ライフ土支田店」など競合店があるがいずれも和光南店から700m以上離れている。ヤオコーとしては、21年10月オープンの「和光丸山台店」に続く市内2店舗の出店で、和光市のドミナントをさらに強化する構えだ。

 和光南店の売場面積は474坪で、1階部分が駐車場、2階部分が売場と、ヤオコーとしては珍しいピロティタイプの店舗となる。約600坪を標準とするヤオコーにとっては小型店の位置づけだが、取り扱いSKUは約1万3630と標準並みとなっている。

別の角度から見たヤオコー和光南店の外観。1階が駐車場、2階が売場のピロティタイプの店舗となっている

旗艦店でも導入した「冷凍MD」に注力

 小ぶりな店舗ではあるものの、和光南店では旗艦店「和光丸山台店」でスタートさせた商品政策(MD)も一部導入するなど、ヤオコーの最新の取り組みが随所に散りばめられている。特徴的だった売場を見ていこう。

 1階入口からエスカレーターを上がった先、お客の目にまず飛び込んでくるのが青果売場だ。オープン日は最前面の特設平台で栃木県産「とちおとめ」を2パック580円、キューリは1本19円の特別価格で販売。平台のエンドでは「所沢有楽町店」(埼玉県所沢市、20年6月開業)からスタートさせている小容量コーナーを導入しており、ピーマンやナス、トマトの少量パックや、赤色と黄色のパプリカがそれぞれ1/2カットずつ入ったセットなどを販売していた。

「所沢有楽町店」でスタートした小容量コーナーを導入

 精肉売場では、平台冷凍ケースで冷凍スライス肉コーナーを大きく展開する。続く鮮魚売場でもシーフードミックスなど冷凍商材の扱いを強化している。こうした冷凍MDの強化は旗艦店「和光丸山台店」からスタートしたものだ。

旗艦店「和光丸山台店」と同様に、和光南店でも冷凍商材の扱いに力を入れている

小型店ながら冷凍食品は充実のラインアップ

 冷凍ということでいえば、店舗中央のゴンドラゾーンで展開する冷凍食品売場も強化している。前述のとおり、和光南店は小型店の位置づけの店舗だが、広報担当によれば、冷凍食品は旧来型の標準店舗の約1.7倍の規模で売場を展開しているという。SKU数は非公表とのことだが、豊富な品揃えで需要の高まりに対応しようという姿勢がうかがえる。

小型店でありながら、冷凍食品売場を大きく展開する

 同じゴンドラゾーン、青果売場の裏側付近で展開するペット用品売場にもスペースを大きく割いている。ペット用品、ペットフードなどを合わせて1レーン分と和光丸山台店と遜色ない規模で売場を展開。コロナ禍を背景にペット需要が増えているのは確かだが、小型店でのこうした対応にお客がどう反応するかに注目だ。

ペット用品売場は和光丸山台店と遜色ない規模で売場を展開する

 そのほか、日用品売場にもスペースを割いており、オーラルケア、洗剤類、キッチン用品、文具など、小型店ながら生活に必要なノンフーズ商品をきめ細かく品揃えしているのも特徴的だった。

日用雑貨売場の品揃えが豊富である点もヤオコーの特徴と言っていい

旗艦店MDを一部導入!

 注目の総菜売場では、100%ナチュラルチーズを使用したチーズドリアコーナーなど、「和光丸山台店」でスタートさせた最新MDを導入する。作業場が見えるガラス張りの売場となっており、最近の新店で導入している鉄板焼コーナーもある。

ヤオコーではおなじみのガラス張りのキッチン
寿司・海鮮丼コーナーでは、専用ケースの「ポキ丼」「アボカド丼」をラインアップ
看板商品のおはぎでは、イチゴとホイップクリームを添えたユニクなアレンジ商品も販売していた

 そのほか和光南店では、ほかの店舗に先駆けて無料提供の木製スプーン・フォークを導入している。ヤオコーでは、プラスチック削減の取り組みとして、22年3月1日からヤオコー全店で、無料提供しているスプーンやフォークをプラスチック製から木製・紙製に切り替える。この施策により、年間1700万本のプラスチック製スプーン・フォークを削減し、約160tのCO2削減につながるという。

セミセルフレジの横に配置された木製スプーン

 以上のような施策により、和光南店は年商16億円(初年度)の達成をめざす。なお、ヤオコーの今期(2022年3月期)の出店はこれでラストとなる。新業態1号店「フーコット飯能店」(埼玉県飯能市)、新旗艦店「和光丸山台店」と話題店が多かった今期のヤオコー。23年3月期はどのような新店がお目見えするのか。3月には早速、「フーコット昭島店」(東京都昭島市)がオープンする予定で、関係者から注目を集めている。次の新店ではどのような売場づくり、商品づくりを見せてくれるのか。来期も引き続き、ヤオコーがベンチマークされることになりそうだ。

(店舗概要)
開店日 2022年2月25日
店長 石井真
営業時間 9:00~21:30
店舗面積 1568.72㎡(474 坪)
取り扱いアイテム 約1万3630SKU
年商目標 16億円(初年度)
駐車台数 62台
駐輪台数 98台
従業員 正社員15人、パート・アルバイト126人(延べ人数)