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機能性ヨーグルト、24年度上期の市場は厳しい状況、機能訴求で市場回復を図る

コロナ禍を経て、日常での健康維持の大切さが浸透してきたが、乳酸菌飲料やサプリメントなどの競合商品が数多く登場したことで、機能性ヨーグルト市場は微減状態となっている。各社ではターゲットに沿って機能を訴求することで、需要拡大を図っている。

「紅麹」問題も影響し、機能性ヨーグルト市場も厳しい状況

 KSP-POSデータによると機能性ヨーグルト主要18アイテム(明治「明治プロビオヨーグルトR-1」「明治プロビオヨーグルトLG21」「明治プロビオヨーグルトPA-3」「明治脂肪対策ヨーグルト」、雪印メグミルク「恵 ガセリ菌SP株ヨーグルト」「恵 ビフィズス菌SP株ヨーグルト」「乳酸菌ヘルベヨーグルト」、森永乳業「ビヒダスヨーグルト 便通改善」「ビヒダスヨーグルト骨密度対策」「記憶対策ヨーグルト」「トリプルヨーグルト」「ラクトフェリンヨーグルト」、ダノンジャパン「ダノンビオ」「ダノンデンシア」、江崎グリコ「BifiXヨーグルト」、小岩井乳業「小岩井 免疫ケアヨーグルト」「iMUSE ヨーグルト」、カネカ「わたしのチカラQ10ヨーグルト」)の期間通算の金額PIは9983円で対前年比3.7%減となった。

 月別金額PIをみると、24年3月までは堅調に推移しているが、4月以降は前年割れが続いている。「紅麹」問題により、機能性表示食品に対する信頼性が揺らいでいることから、機能性ヨーグルト市場も厳しい状況となっていることが予想される。ただ、ブランドによって販売状況は明暗を分ける結果となった。

健康維持の大切さが浸透し競合商品が数多く登場したことで、微減状態となっている機能性ヨーグルト市場。ターゲットに沿って機能を訴求することで、需要拡大を図る(i-stock/nensuria)

 機能性ヨーグルトで大きなボリュームを占める明治の「明治プロビオヨーグルトR-1」は、GOLDシリーズの強化やテレビCMの投下、ディズニー企画などを通じた継続的なコミュニケーションによりブランドの信頼性向上を図り、堅調に推移している。そのほか、明治ではこの秋「明治プロビオヨーグルトPA-3」と「明治脂肪対策ヨーグルト」をより魅力を高めた商品へリステージ。

 「PA-3」は「“プリン体の吸収を抑制”することで、尿酸値の上昇を抑える」というメカニズムまで説明したヘルスクレームに変更した。「脂肪対策ヨーグルト」は、ベースカラーを白から黒に変更し、「脂肪対策」という商品名の認知が高まるように正面にブランド名を冠した。それぞれのターゲットに向けて効果的なプロモーションを展開していく。

ターゲットに向けて機能をわかりやすく訴求

 森永乳業では「ビヒダスヨーグルト 便通改善」「トリプルヨーグルト」「記憶対策ヨーグルト」などの機能性表示食品を展開しているが、今年秋には、肌の保湿力と腸内環境のWのケアができる機能性表示食品「森永アロエヨーグルト W 」を新発売。これまでもヨーグルトで肌ケアを訴求した商品は存在するが、市場に定着していなかったため、「森永アロエヨーグルト」というロングセラーブランドで展開することで、新たなユーザーの獲得を図る。

 雪印メグミルクでは、内臓脂肪を減らすのを助ける「恵 ガセリ菌SP株ヨーグルト」や、花粉やハウスダストなどによる目や鼻の不快感を緩和する「乳酸菌ヘルベヨーグルト」などの機能性表示食品を展開している。また、カネカでは機能性表示食品「わたしのチカラQ10ヨーグルト」を展開。還元型コエンザイムQ10が疲労感・ストレスの軽減、睡眠の質向上を図る。

 コロナ禍を経て、感染対策が一段落し、日常生活におけるさまざまな健康課題への対策意識が高まる傾向にある。ターゲットを絞り、機能を伝えることで需要アップを図っていきたいところだ。