冷凍技術の発展も後押しし成長を続ける冷凍食品市場。食品小売企業も売場を拡大し市場獲得に動いている。そんななか特殊冷凍テクノロジーの製品企画・開発を手掛けるスタートアップ企業のデイブレイク(東京都/木下昌之社長)は、最近では食品スーパーの冷凍商品開発のサポートも行うなど、注目を集めている。2023年7月には資金調達総額で20億円を突破した。現在の取り組みと今後の展望を取材した。
営業代理店事業で技術とニーズをつかむ
デイブレイクは2013年7月に設立。「作り手から食べ手までのより良い未来を創造する」をミッションに掲げ、特殊冷凍機の販売、コンサルティング、業務用特殊冷凍食材の販売などを手掛ける。
創業のきっかけは、同社の木下昌之社長が東南アジアの露店で食べたマンゴスチンのみずみずしさに感動したことにある。家業が冷凍機器の施工管理会社を営んでいたこともあり「冷凍技術によってこのおいしさを日本にそのまま届けられないか」と思い至り、家業を継ぐのではなく、自ら起業の道へと進んだ。
特殊冷凍とは、急速冷凍に特殊技術を活用することで、より素材本来の鮮度や食感を保てるようにする、デイブレイク独自の冷凍技術のことだ。デイブレイク創業当時、急速冷凍技術は精肉など一部の食品加工業で採用され始めたばかりだった。メーカーと共同で急速冷凍機を開発したいと考えていたデイブレイクだったが、当時の技術ではめざす鮮度を実現する急速冷凍機の開発は不可能と判断。まずは、主に飲食事業者や加工業者を対象にした、冷凍庫メーカーの営業代理店事業からスタートした。
また、
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