腸内環境を整えることで、健康や美容にもよい影響を与える「腸活」。TVや雑誌などでも取り上げられることが多いことから認知は進んでいるが、実際にどれくらいの人が腸活に取り組んでいるのか、日本インフォメーションの腸活に関する調査をもとに検証した。
新型コロナ以降に腸活を開始した人が多数
日本インフォメーションが2023年8月29日~30日にインターネットで20~69歳男女に行った「腸活」に関する調査によると、腸活の認知率は全体で77.3%と高いものの、腸活実施経験者はそのうち31.7%という結果となった。現在も腸活を行っている人は、全体の21.3%で、性別に見ると男性は19.4%、女性は 23.2%。性年代別では男女ともに60代が他の年代を上回った。
腸活実施者の期間を確認したところ、男女ともに新型コロナウイルスの感染拡大以降に腸活を開始した割合が多くなった。体の免疫力を高めることにより、ウイルスへの感染や重症化リスクの軽減も期待できるといった報道も見られたことから、腸活に取り組む人が増えたようだ。
体や健康の悩みについて、「実施あり層」と「実施なし層」に聞いたところ、全体では「便秘・下痢」、「目の悩み」「首や肩こり」の順で、「実施あり層」が「実施なし層」を15ポイント前後上回った。腸活により、さまざまな体の不調を解消したいという意識が高いようだ。
腸活により期待する効果を聞いたところ、全体では「便秘の改善」が39%と最も高く、「免疫力の向上」が37.1%、「ダイエット」が24.9%の順となった。便秘で悩んでいる人が多いことがこうした調査結果からも浮き彫りとなった。
腸活実施者の6割近くがヨーグルトを摂取
腸活を訴求した商品が数多く発売されているが、腸活実施者に腸活を目的として摂取している食品を聞いたところ、全体では「ヨーグルト」が57.3%と最も高くなった。ヨーグルトの整腸効果は広く認知されており、実際に腸活として活用している人が多いようだ。
ヨーグルトのなかでも腸活に特化した森永乳業の「ビヒダスヨーグルト便通改善」は、効果を実感した人の継続購入につながっている。また、サラヤでは、食物繊維「イヌリン」による腸活と食後血糖値上昇抑制の2つの機能を持つ腸活シロップ「ラカントフローラビオ」をこの春に発売。ヨーグルトと一緒に摂ることで、腸活の効果が高まる。
ヨーグルトに続くのが、発酵食品の代表である「納豆」(39.4%)、「乳酸菌飲料」(32.9%)の順となった。発酵食品であり、食物繊維も豊富な納豆は腸活に欠かせない食品といえそうだ。乳酸菌飲料も手軽に摂取できるため、生活に取り入れやすい。
今後、摂取したいと思う栄養素を聞いたところ、全体では「食物繊維」が35%で最も高く、「乳酸菌」(34.5%)、「ビタミンC」(29.5%)、「ビフィズス菌」(24.8%)、「たんぱく質(プロテイン)」(24.4%)の順となった。腸活実施あり層では「乳酸菌」「ビフィズス菌」「食物繊維」を選択する割合が5割を超えた。
こうした調査結果から、「腸活」の認知は非常に高いものの、「腸活実施者」はまだまだ少ないといえる。身近な食品から腸活に取り組む意識をさらに高めていく必要がありそうだ。