調達・製造・加工・物流・小売・サービスを垂直統合する製造小売業(SPA)を志向するバローホールディングス(以下、バローHD)。新設された製造小売推進部を中心に、さまざまな動きが進む。その戦略の全体像と現在の動き、今後の展開についてまとめた。
22年、製造小売推進部新設!
SPAを志向するバローHDは、傘下に連結子会社54社を擁する。
食品の領域では、2017年に水産加工会社(宮城県)、20年に根菜水煮加工会社(佐賀県)と調味料製造会社(東京都)を相次いで子会社化するなど、M&A(合併・買収)によって製造機能を積極的に拡充してきた。現在、食品スーパー(SM)を展開するバローのドミナントエリアである中部地方を中心に、15カ所の製造拠点を擁している。
バローグループの成長戦略では、SMを中心とする本業の強化に向けたプロジェクトの1つとして「製造小売業強化」を掲げている。
22年4月には、傘下の製造会社の機能を連携し、製造小売業を強化するための横断的組織として「製造小売推進部」が新設された。部長には大手メーカー出身の溝真二氏が就任し、メーカー出身者2人と若手のプロパー社員が所属する。
「製造小売推進部」は、傘下の製造会社を中心に商品を企画・開発し、卸機能を担う子会社のVソリューション(岐阜県)にこれを供給しながら、グループ内の定期商談や「新商品発表会」を通じて傘下のSMとつなぐ役割を担っている。
傘下の複数企業の機能を組み合わせる
新商品を開発し、販促計画を立て、傘下のSMとの商談や「新商品発表会」を経て店舗に導入されるまでのサイクルは6カ月だ。23年7月に開催された直近の「新商品発表会」では、傘下の製造会社が製造する商品も含め、23年度秋冬シーズンの新商品26品目が披露された。
23年以降は、新商品の導入後の改善サイクルも回している。傘下のSMを訪問し、商品の販売動向や導入状況などをヒアリングしながら、商品力の改良や現場が抱える課題の解決に取り組み、その成果なども「新商品発表会」で共有している。
生鮮カテゴリーでは、
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