クスリのアオキホールディングス(石川県/青木宏憲社長:以下、クスリのアオキ)が千葉県内での出店を増やしている。なかでも注目したいのが房総半島西側、いわゆる「内房」エリアのルーラル商圏での店舗展開である。同エリアの最新店「安房岩井店」(千葉県南房総市)の売場から、クスリのアオキの戦術を考察する。(調査日:3月19日) ※文中・表中の価格は本体価格
400坪フォーマットがまたもや内房に出店
クスリのアオキは3月15日、千葉県南房総市に「安房岩井店」をオープンした。1月には隣接する館山市に「大神宮店」を開業したばかりで、同店から20㎞ほど北に位置する。同じ内房エリアで見ると、クスリのアオキはすでに市原市、袖ケ浦市にも進出しており、内房を北から南へ線でつなぐかのように出店し始めているようだ。
さて、今回調査した安房岩井店が位置するのは、JR内房線「岩井」駅から北へ約500m離れた国道127号線沿いである。夏は海水浴客でにぎわう「岩井海岸」に近く、周辺は住宅のほか民宿が約50軒営業している。海と逆方向にはすぐ山がせり出しており、商圏は狭い。
周囲の小売店としては、地場スーパー(SM)の「おどや」のほか、「コメリ」「セブン-イレブン」「キャンドゥ」、そして同業では「セイムス」があり、これらは岩井駅から南西400mほどの場所に集積している。対して安房岩井店はそこから北へ900mほど離れた位置にあり、周りには「ローソン」がある程度だ。
安房岩井店の店舗面積は1322㎡で、クスリのアオキが新たな標準フォーマットとする400坪型の店舗である。売場配置は大神宮店とほぼ同じ(レイアウト図参照)。おそらくこれが、ルーラル商圏におけるフォーマットとして確立したものだろう。
売場中央部のゴンドラは8レーン・3尺35本で構成され、通路幅も広く陳列も整然としていて買物しやすい雰囲気が漂う。どこかコスモス薬品(福岡県/横山英昭社長)の売場を彷彿とさせるものがあるが、とくに食品の販売効率を考えたとき、このスタイルが最適なのだろう。
生鮮は青果と精肉、塩干の扱い。精肉はクスリのアオキではおなじみのコンセ「大三ミート」の商品で、大神宮店同様に茨城県土浦市の「まりやま店」からの納品で対応する。また、400坪タイプの場合、鮮魚は塩干に絞り込むというのも定石であるようだ。
加えて、安房岩井店で目を引いたのが
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