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産直に絶大な強み持つパルシステムが進める「持続可能」な商品開発とは

食品MD大

関東を中心に1都12県で宅配事業を展開するパルシステム生活協同組合連合会(東京都/大信政一理事長:以下、パルシステム)は、全国の産直産地から仕入れる、安全・安心な産直商品を強みとする。外部環境が悪化するなか、これまで以上に産地との関係を強化し、生産者の経営課題や社会課題の解決につながる商品開発に乗り出している。

大変な時には助け合い 長年かけて相互理解を醸成

 事業エリアで生活する組合員に、宅配事業を通じて約3000品目を供給するパルシステム。同生協の品揃えは、全国の契約農家から仕入れる産直や国産の商品が中心だ。同連合会の産直商品は、単なる産地直送の商品ではない。「産直4原則」に基づいた「産直協定」を結んだ契約産地「産直産地」で生産された農産品をさす。

「産直4原則」の1つには「生産者と組合員相互の交流ができる」をあげる。写真は組合員による産地訪問の様子

 「産直4原則」とは、①生産者・産地が明らかである、②生産方法や出荷基準が明らかで生産の履歴がわかる、③環境保全型・資源循環型農業をめざしている、④生産者と組合員相互の交流ができる、からなり、協定を結ぶためには高い基準を守る必要があることがわかる。

 そんな生産体制によってパルシステムは「単に安全・安心な食べ物を調達する手段ではなく、『つくる人』と『食べる人』がともに健康で安心な暮らしを実現するため、理解し合い、利益もリスクも分かち合える関係を築くこと」をめざしているという。

パルシステム商品開発本部長の辻正一氏

 商品開発本部長の辻正一氏は「産直商品の供給は、よい時もあれば、大変な時もある。こうしたなかパルシステムにおける組合員と生産者は、どんな時も互いに助け合いながら持続的な活動をめざすパートナーのような関係である」と説明する。このようなパルシステムの活動理念に共感した生産者が集まり、現在、産直産地の数は388カ所(2021年度)にも上る。

 実際、組合員と生産者は非常に強い助け合いの精神で結ばれている。たとえば近年、気候変動により国内でもさまざまな自然災害が頻発している。そんな時は「産直産地は大丈夫か」「支援できることはないか」と多くの問い合わせが入るほか、多額の募金が集まる。こうした関係は生産者にとって経営の支えや、モチベーションにつながっているという。

 良好な関係を継続するべく、組合員と生産者が

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