ヨークベニマル(福島県/大髙耕一路社長)が昨年11月にオープンした「ヨークベニマル仙台上杉店」(以下、仙台上杉店)。仙台市内の繁華街にもほど近い好立地にあり、「仙台の新たな顔になるスーパーマーケット」を掲げる注目の店舗である。同店の売場を調査し、ヨークベニマルの最新MD(商品政策)の方向性に迫った。
調査日:2024年3月14日 ※文中の価格は本体価格
シックな内外装の都市型店舗
仙台上杉店が位置するのは、仙台市地下鉄南北線「北四番丁」駅から徒歩約6分、仙台市内のメーンストリートの1つである「愛宕上杉通」沿いである。「国分町」など繁華街からもほど近くにあり、ヨークベニマルの店舗の中でもあまり類を見ない、都心部立地の店舗である。
周辺は行政機関や学校、病院などが集まるほか、アクセスのよさから近年はマンションの建設も進んでおり、40~50代をメーンに人口の流入が続いているエリアだ。競合店としては「西友上杉店」「イオンエクスプレス仙台上杉3丁目」「みやぎ生協柏木店」などがある。
実際に店舗を訪れてみると、まずはシックな外装デザインに目を奪われた。壁面は明るめのブラウン(茶色)を基調に、ロゴは「york」を青で配色した従来とは一線を画したデザインで、店舗周辺の落ち着いた住環境にマッチしている。
そして店頭入口付近には、ヨークベニマルの前身である「紅丸商店」時代のロゴと、「野越え山越え」のフレーズで知られる創業者・大髙善雄氏の揮ごうがプリントされたのれんが掲げられている。これだけでも、ヨークベニマルが仙台上杉店の開業に並々ならぬ思いを込めていることがうかがい知れる。
内装もグレーを基調とした落ち着いたデザインが施されており、都市型店舗らしい洗練された雰囲気が漂っている。最前部の青果から奥の鮮魚売場までは平台什器の高さを抑えることで開放感を演出。プライスカードやPOPも什器の高さを超えない位置に掲出されているほか、商品情報など価値訴求についてはデジタルサイネージを活用している。
このように売場での過度な装飾がないぶん、商品の鮮度感やシズル感がダイレクトに伝わってくる。この点も既存店の売場づくりとは大きく異なったものである。
和日配に透けて見えるロピアとの差別化策
部門別に売場を詳しく見ていこう。
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