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たんぱく補給食品市場のトレンドは?高たんぱく訴求で幅広い客層へアプローチ

健康・機能性市場トレンド 2024 春・夏

昨今の健康志向の高まりを受けてユーザーが拡大している健康・機能系の食品群。今期は「糖質オフ・ゼロ系ビール類」「睡眠サポート」「たんぱく補給食品」「脂肪・コレステロール値改善」の4つのカテゴリーを取り上げ、トレンドを探る。

プロテインブームで急成長、22年以降勢いはおだやかに

 富士経済によると、たんぱく補給食品の2023年の国内市場規模(見込み)は対前年比2.3%増の2580億円となった。

コロナ禍に入ってからも、コロナ太りの解消需要が発生したほか、メディアやインフルエンサーを通じた情報発信で新規ユーザーも増加(i-stock/MartinPrescott)

 【図表】のように同カテゴリーは15年以降、たんぱく質摂取に関する情報発信が各メディアで増加し、プロテインが一種のブームとなったことで活性化した。その後、筋トレの話題性も高まったことでライトユーザーを獲得、一部のヘビーユーザーが大半を占める市場構造が変化し、20年には2000億円を突破した。

【図表】たんぱく補給食品の国内市場の推移

 コロナ禍に入ってからも、コロナ太りの解消需要が発生したほか、メディアやインフルエンサーを通じた情報発信で新規ユーザーも増加。とくにTV番組で幾度も特集されたことで新規ユーザーを多く獲得し、21年まで2桁増が続いた。

 市場の拡大に貢献しているのがたんぱく質を多く含む加工食品の存在だ。それまでの加工食品は減塩や糖質カットが主要な健康訴求だったが、プロテインブームで消費者の認知が進み米飯やスープなど、たんぱく質を多く含む食事系メニューの市場が形成された。20年には豆腐バーなど新たな形態の商品も登場し、市場は前年の3倍以上に拡大している。

 ユーザーの増加に伴い新商品も次々に発売され、成長を続けてきた同カテゴリーだが、22年以降は成長も鈍化してきている。一方、ブームにより獲得したユーザーがリピーターになったことで成長しているケースもあり、市場は今後も小幅ながら拡大が続くと予想されている。

ライトユーザーを育成し、ミドル・ヘビーユーザーへ

 ここから、直近発売されたたんぱく補給食品の商品群を見てみよう。

 よつ葉乳業では今春、40代以上の女性をターゲットにした新商品「よつ葉たんぱくリッチ0(ゼロ)」を発売。〈プレーン加糖〉と〈ベリーミックス〉の2種を展開する。同品は北海道産乳原料でつくったヨーグルトを濃縮することで、高たんぱくかつ脂肪0を実現している。

よつ葉乳業「よつ葉 たんぱくリッチ0」

 日本ケロッグは、ご飯のような食感をオートミールで味わえるほか、たんぱく質もしっかり摂れる「大豆たんぱくオートミールごはん」を2月に発売。はくばくは運動後に必要なエネルギーの素と筋肉の素を同時に効率よく摂取することで疲労回復と体づくりをサポートする「たんぱく質が摂れるお豆ブレンド雑穀」「同やわらか玄米」の2品を展開する。

日本ケロッグ「大豆たんぱく オートミールごはん」
はくばく「たんぱく質が摂れる」雑穀シリーズ

 マルハニチロは、袋を皿がわりにして食べられる簡便性の高さで人気の「WILDish」シリーズから、たんぱく質20gが手軽に摂れる「WILDish PROTEIN ガリバタチキンライス」「同豚キムチ炒飯」を3月より販売している。

 たんぱく質は体を鍛えたい人やスポーツをする人、ダイエットをしたい人だけでなく、すべての人にとって必要な栄養素だ。

マルハニチロ「WILDish PROTEIN ガリバタチキンライス」「WILDish PROTEIN 豚キムチ炒飯」

 たんぱく補給食品を一過性のブームとして終わらせないためにも、プロテインで流入したライトユーザーにリピート購入を促し、ミドル・ヘビーユーザーへ育成していくことが求められている。