コロナ禍以降の健康志向の高まりを受けてユーザーが拡大している健康・機能系の食品群。今期は「糖質オフ・ゼロ系ビール類」「減塩商品」「ストレス緩和・睡眠サポート」「完全栄養食」の4つのカテゴリーを取り上げ、トレンドを探る。
糖質オフ・ゼロ系ビール類
【対象商品】4大メーカー(オリオンビールはアサヒビール扱い)の糖質オフ・ゼロ系商品
市場の再活性化に向けてはトライアルの促進がカギ
2022年3月から23年2月の糖質オフ・ゼロ系ビール類市場は、値上げ前の駆け込み需要で伸びた9月など一部の月を除きマイナス基調で推移した【図表1】。
【図表2】のランキングを見ても、上位の顔ぶれや構成比に大きな変化は見られない。各社の代表ブランドである「アサヒスタイルフリー」「キリン淡麗グリーンラベル」「キリン淡麗プラチナダブル」「サントリー金麦糖質75%オフ」の上位4アイテムで全体の6割程度のシェアを確保している。
また、【図表3】を見ると40・50代の構成比が高く、糖質オフ・ゼロ系以外のビール類と比較し、購入層が1段階若いことが分かる。
同カテゴリーをけん引してきたのが、キリンビールの「淡麗グリーンラベル」だ。同品は「糖質70%オフ*」の機能を持ちながら、おいしさやコストパフォーマンスの高さを担保するバランスの良さが幅広い年代に受け入れられている。また、「淡麗プラチナダブル」は、健康意識の高い40代以上を中心に人気を集めている。同社では、本格志向層にビールの「一番搾り糖質ゼロ」、バランス重視層に「淡麗グリーンラベル」、機能重視層に「淡麗プラチナダブル」をそれぞれ訴求することで機能系ビール類市場の拡大を狙っている。
糖質オフ・ゼロ系ビール類の各ブランドはロイヤルユーザーを多く抱えているが、今後市場を再活性化するには、トライアルの促進が最も重要になってくるだろう。
* 日本食品表示成分表2020年版(八訂)による