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スーパーマーケットを中心とする食品流通業界に最新情報を発信する商談展示会

スーパーマーケット・トレードショー2024

全国スーパーマーケット協会が主催する日本最大級の食品流通業界向け展示会「第58回 スーパーマーケット・トレードショー2024」(略称SMTS2024)が2024年2月14日から16日の3日間、千葉・幕張メッセ全館で開催される。“食”に関する最新の情報・商材・サービスを紹介するSMTS2024ならではの見どころを解説する。

「食のトレンドゾーン」に「インバウンド×食」を新設
「SMTS2024」(1~11ホール)

 スーパーマーケット・トレードショー(以下、SMTS)は、スーパーマーケットを中心とする食品流通業界に最新情報を発信する商談展示会だ。小売業をはじめ、卸・商社、中食、外食業界から多くのバイヤー・関係者が来場する同展示会は今回で58回目を迎える。

 出展者数は2188社・団体、3515小間(2024年1月15日現在)。全国各地の自治体や地方金融機関等の取りまとめにより、39の都道府県ブースと1480社以上の地方メーカーが出展。海外からも13か国、93社・団体、126小間が参加し、個性豊かな商材・サービスを紹介する。

 23年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことを受け、今回のSMTSはほぼコロナ禍以前の規模感で開催される。20年以降、オンラインでの開催となっていたセミナーステージが復活し、業界関係者が多数参加する企画を実施する。

今回で58回目を迎えるスーパーマーケット・トレードショー。小売業をはじめ、卸・商社、中食、外食業界から多くのバイヤー・関係者が来場する(写真は前回のSMTS2023開会式の様子)

 SMTSはメーカー各社のブースに加えて多彩な主催者企画が魅力だ。「食のトレンドゾーン」は内容をパワーアップ。前回好評だった「冷凍×食」「サステナビリティ×食」の2つのトレンドテーマに加え、「インバウンド×食」ゾーンを新設した。訪日外国人観光客数が急速に回復するなか、滞在中の食事、お土産品の購入など、「食」分野のインバウンド需要に関連する食品・情報・サービスをバイヤーに提供することで、インバウンド消費の拡大や売上・利益の向上に貢献することを目的とし、5社・団体、16小間出展。ほかにもジャパンショッピングツーリズム協会との連携により、インバウンド関連のセミナーや情報発信ブースも展開する。

全国スーパーマーケット協会・事業部 流通支援課
チームリーダー 吉沢 敦氏

 恒例となった1 ホールの「てづくりNIPPON」は日本の地域や質にこだわった造り手の“技”や“思い”を「お酒のあるく・ら・し」をコンセプトに、全国から選りすぐりの酒蔵を紹介。各酒蔵のSDGs や社会貢献への取り組み事例にも焦点を当て、ブース内映像資料や紹介シートの作成等、ブース全体で出展酒蔵の魅力を発信する。

SMTS2024の会場レイアウト

 またSMTSに来場した国内バイヤーと出展者による個別商談会「ビジネスマッチング」や日本の食品に関心を持つ海外バイヤーと出展者による商談会「ジェトロ食品輸出商談会」も今回はリアルでの開催となった。なかでも「ジェトロ食品輸出商談会」はチリ、イギリス、スペイン、インド、オーストラリア等12か国から海外バイヤーが来場し、海外販路開拓の場を提供する。

 さらに継続的近未来スーパーマーケット研究「Future Store “NOW”2023-2024」が4年ぶりに会場内に復活。小売業界における課題と対策を定期的に議論するための推進協議会の開催や、議論内容をより深掘りおよび検証するための分科会を実施しており、各会で得られた内容・成果を2ホール内のブースで発表する。

前回のSMTS2023会場の様子

惣菜、弁当の最前線を紹介
「デリカテッセン・トレードショー2024」(3ホール)

 開催11年目を迎えた中食産業特化の商談展示会「デリカテッセン・トレードショー2024(略称:DTS2024)」は50社・団体、238小間(24年1月15日現在)の規模で開催される。

 同展示会のメーンである「お弁当・お惣菜大賞2024」は、スーパーマーケットや専門店、コンビニエンスストア等で実際に販売している弁当・惣菜・サラダ・パン等の商品群の中から、優れた商品を選出し表彰することで担当者のモチベーションアップと部門のレベルアップを図ることを目的としたプログラム。同賞は一般消費者の認知も進んでいることから注目度も高く、今回は1万4992件のエントリーがあった。

 今回の「定番商品部門」は「天ぷら」がテーマ。そのほか、「弁当」「惣菜」「サラダ」「麺」「丼」「おにぎり」「寿司」「パン」「スイーツ」「各国料理」の計11部門で、評価基準を設け専門家による審査を行い、最優秀賞、優秀賞、特別賞、入選などを選出する。受賞商品は受賞シールを貼って販売することが可能で、店舗の売上アップに貢献する。

 同賞は開会初日の2月14日に「SMTS・DTSセミナーステージ」で表彰式を行う。会期中はブース内で受賞商品の実物およびパネル展示を行うほか、フードコートにて受賞商品の販売も実施。また主催者企画「食べくらべ体験STAND」では、スチームコンベクションオーブンの活用メニューとして「ドリア」をテーマに、調理実演を交えて試食提供を行う。

 DTSではデリカに関する情報提供の場を求めるニーズに応えるため、会期中だけでなく年間を通してデリカに関する勉強会「デリカスタディ」を開催し、売れるメニューの提案や課題共有を図っている。

 今回も弁当・惣菜に関する情報を満載した情報誌「惣菜デリ最前線2024」を発刊。同誌は「お弁当・お惣菜大賞2024」の受賞商品・売場紹介に加え、専門家・コンサルタントによる業界動向レポートやトレンド、デリカに注力する小売業の販売現場や取り組み状況のレポートなどを掲載している。会場内で無料配布するため、必ず手に入れておきたい。

地域商品の販路拡大へ貢献
「こだわり食品フェア2024」(11ホール)

 11ホールで開催される「第19回 こだわり食品フェア2024」(主催:一般財団法人食品産業センター)は、個性豊かな地域食品をはじめ、素材・製法・安全・健康にこだわった食品が一堂に会する食の専門展。今回は新規を含む125社・団体の出展を予定している。

 新型コロナウイルス感染症対策の規制が緩和され、インバウンド需要が回復をみせるなか、SNSで映える食品や高級食材、健康関連食品等への関心が高まっている。また、昨今の物価上昇により消費者の節約志向が強まる一方、本当に欲しいものにしっかりとお金を使う消費の二極化もより鮮明になっており、消費者はふだん触れることのない珍しい食材や食品を探しているといえる。

 同展示会では各地の特色ある地域食品をはじめ素材や製法、味つけや見せ方にこだわった食品が一堂に会する。今回は多くの新規企業が参加しておりバラエティに富んだラインナップが期待できそうだ。

多彩なセミナープログラム、今回はリアルで開催

 SMTSは多彩なセミナープログラムも魅力。この数年はオンラインでの開催が続いていたが今回はセミナーステージでのリアル開催となる。

アークス代表取締役社長の横山清氏

 全国スーパーマーケット協会会長・アークス代表取締役社長の横山清氏によるSMTSスピークスのテーマは「百年スーパー時代」。ほかにも恒例のスーパーマーケット白書や物流2024年問題への対応、インバウンド対応、アフターコロナの変化などさまざまなテーマのプログラムを展開。さらにDXや物流改善をテーマとした経済産業省主催の第2回「SUPER-DX コンテスト」の表彰式、スーパーマーケットにおける品質改善成果発表大会といった事例発表にも注目だ。

 出展者・商品検索システム「リテールトレンド」のウェブサイト上では出展者・商品検索システムを随時公開しており、来場前の出展者チェックが可能。国内外から食に関するさまざまな情報や商材・サービスが一堂に会するSMTSで、ぜひ、自社の差別化につながる商品を見つけてほしい。

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