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大きく伸長する注目カテゴリー「植物性ミルク市場」、健康訴求で新規ユーザー増加中!

これまで豆乳を中心に市場を広げてきた植物性ミルクだが、近年はアーモンドミルクやオーツミルクなど、様々な原料によるミルクが発売され売場が活性化。栄養面での特徴がTV等で紹介されることも増え、新規ユーザーが流入してきている。

目次

 

これまで豆乳を中心に市場を広げてきた植物性ミルクだが、近年はアーモンドミルクやオーツミルクなど、様々な原料によるミルクが発売され売場が活性化している。 i-stock/Geo-grafika

TVでの紹介を起爆剤に大伸長するアーモンドミルク

 インテージSRI+によると、豆乳カテゴリーの2020年9月から21年8月の期間通算の市場規模は前年比7.0%減の450億円となった【図表①】。

 20年の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、生活者の健康意識がいっそう高まり、ロイヤルユーザーの多い豆乳も一気に伸長。牛乳と比較し常温で保存できることから外出自粛に伴ってまとめ買いしたユーザーも多く、その反動減として今期はどの月も前年割れの状態が続いている。

 一方で右肩上がりに成長を続けるのが、ビタミンEや食物繊維、オレイン酸などの栄養面で注目度の高いアーモンドミルクだ。

 【図表②】のアーモンドミルクカテゴリーの20年9月から21年8月の期間通算の市場規模は前年比24.6%増の76億円と、20%以上の大幅伸長となった。月別で見るとどの月も2ケタ増が続いており、なかでも21年6月は前年同期比43.5%増と驚異的な伸びを示している。

 欧米諸国ではアーモンドミルクが牛乳、豆乳に続く第3のミルクとして、すでに定着しており、日本国内でもスターバックスやエクセルシオールカフェ、コメダ珈琲店といったカフェチェーンでアーモンドミルクが導入され、認知度も徐々に高まってきている。

 これまでは健康や美容感度の高い女性向けのイメージが強かったアーモンドミルクだが、TVや雑誌など多くのメディアで取り上げられたことで客層も拡大。とくに21年9月のテレビ朝日「林修の今でしょ!講座」の反響は大きく、低カロリー・低糖質、抗酸化作用といった健康効果を期待し、幅広い年代の消費者がアーモンドミルクを手に取っている。

各社の動向は?

 

豆乳とアーモンドミルクの市場規模推移および対前年比

栄養面の魅力を紹介しトライアルを促進

 健康志向に加えヴィーガンの増加やSDGSの観点から、大豆やアーモンド、オーツ麦といった植物由来の食品への関心は年々高まっている。

 なかでも植物性ミルクは牛乳の代替品として、毎日の生活に取り入れやすいため手に取る人も多い。現状、植物性ミルクは通常の牛乳同様、そのまま飲むことがメーンとなっているが、コーヒーや紅茶に入れたり、シリアルにかけたり、料理に使ったりなど、使い方を広げることで使用頻度も向上するだろう。

 とくにアーモンドミルクはポッカサッポロフード&ビバレッジ「アーモンド・ブリーズ」、マルサンアイ「毎日おいしいローストアーモンドミルク」、グリコ「アーモンド効果」と各社が商品を展開しており、味のバリエーションも増えている。メーカー各社ではSNSやWEBサイトを通じて情報の発信に努めている。

 今後も伸長が期待される植物性ミルクだが、トライアルを促す店頭での試飲販売は、感染症対策の観点から現状難しい面もある。栄養素や牛乳との違い、味の特徴など植物性ミルクの特色をPOPやボードで紹介するほか、料理レシピと絡めて提案することで、植物性ミルクに対するハードルを下げ、購買に結び付けていきたいところだ。

各社の動向は?