即食性が高くヘルシーな食材としてサラダには多くのチェーンが力を入れている。家庭での食事機会が増えるトレンドの中で、提案の手法や訴求ポイントも多様化してきた。最近の新店の売場から事例をピックアップして紹介する。
さまざまな素材を組み合わせた独自のヘルシーサラダを提案
コロナ以前からサラダ関連商材は健康面での機能性訴求や、簡便性といった魅力で人気が高いカテゴリーとなってきた。
近年の売場では、青果部門で展開する生鮮食材としてサラダ野菜や、カットサラダなどのパック入り商品のほか、総菜売場で展開するサラダ、食事系サラダなどをそれぞれ品揃えするのが一般的。また青果売場と総菜売場を融合させたサラダ売場を展開する例も少なくない。2021年にオープンした新店から、具体的な事例を見ていこう。
「ヤオコー天王台店」は生鮮とデリカを強化し、食シーンに合わせた提案を強化する。サラダ売場も多様に展開しているが、カップサラダやボックスタイプのサラダを幅広く展開する。さまざまなミックスタイプや、ドレッシング入りのセット商品なども提案する。
また駅直結の商業施設内にオープンし、鮮度と利便性の高い食品を強化する「東急ストア池上店」でも、パッケージ入りのサラダコーナーを展開。多様な素材を組み合わせたミックスタイプを揃え、POPで「カラダに元気」と訴求する。また大豆ミートを使用したサラダも用意する。
「イオンスタイル千葉みなと」は、ドラッグストア併設のワンストップの利便性と、「おうち需要」に対応する商品を強化。サラダについては、ベーシックなパックサラダのほか、1日分の野菜をセットにしたミックスタイプや食事サラダまで幅広い品揃えを展開する。POPや棚札では「もっと! もっと!サラダ」と提案する。
リニューアルオープンに合わせて「食と健康」をテーマにした健康コミュニティコーナーを実験導入し、栄養指導や健康相談などに対応する「サミットストア鳩ヶ谷駅前店」では、定番のサラダのほか半日分、1日分の緑黄色野菜入りセットなど、健康意識の高い層に向けて多様なサラダを提案する。
「フードスクエアカスミテクノパーク桜店」では、青果売場でパック入りのカットサラダを販売。地域商品のドレッシング類をクロス展開する。
食事にもなるサラダメニューがさらに多様化
「マルエツ船橋三山店」もサラダカテゴリーに力を入れており、多段ケースでは、食事のメーンとなる食事サラダを多様に展開。栄養士監修の野菜とタンパク質をバランスよくミックスした「お手製サラダ」を提案している。
「フレンドマート草津大路店」では、ヘルシーな食習慣の提案を強化しており、サラダについてもベーシック商品に加えて、食べやすい「いなりの手づかみサラダ」を展開。米の代わりにキャベツを使ったいなり寿司風のサラダで、食事としてのボリューム感もある。
東急ストアがグローサラント業態としてオープンした「プレッセ飯田橋デリマーケットエキュートエディション飯田橋店」では、自由にカスタマイズできるサラダコーナーのほか、パック入りでは100%有機野菜入りのセットを揃える。
「イオンフードスタイル日野駅前店」では、一口サラダの「ベジロール」コーナーを展開する。野菜類のほか、サーモンやエビなどをトルティーヤや生春巻風に巻いたサラダで、食べやすさを訴求。専用コーナーのボードや棚帯などで提案を強化している。
「ライフグランシップ大船駅前店」は、ブロッコリーやジャガイモ、緑黄色野菜など、店内加工の蒸し野菜セットを多段ケースで展開している。
※掲載した写真はすべて取材時のものです。現在の売場と異なる場合があります。