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低価格からプレミアムまで幅広い品揃えで市場をリード!チリワインの好調が続く

コロナ禍で家飲み需要が高まり、2020年の家庭用のワイン市場は好調で、21年も引き続き堅調に推移している。とくに手頃な価格からちょっと贅沢が味わえるプレミアムな価格まで揃ったチリワインは依然好調で、大きな存在感を示している。

EPAの影響で伝統国は微増、チリは依然大きなシェアを獲得

 新型コロナウイルス感染症の流行を機に、外飲みから家飲みへと需要がシフトし、家庭用の輸入スティルワインは好調に推移している。インテージSRIによると、輸入スティルワインの販売金額では、20年4月が対前年同期比19.4%増、5月は同24.9%増と緊急事態宣言の影響で異常値を記録した。そのため21年4~5月は前年割れとなったが、19年比では前年を超えており、堅調な推移といえそうだ。

手頃な価格からちょっと贅沢が味わえるプレミアムな価格まで揃ったチリワインは依然好調で、大きな存在感を示している。 i-stock/Xsandra

 量販市場の輸入スティルワイン(非発泡性ワイン)の原産国別販売金額において、20年8月~21年7月のチリワインのシェアは40.6%で前年を0.9%下回ったが、依然としてチリワインが圧倒的なシェアでトップとなった。

 2位のフランスのシェアは23.2%で0.1%増、3位のスペインは10.8%で1.2%増、4位のイタリアは9.4%で0.2%減となった。19年に欧州EPAが発効され、欧州産ワインが値下げされたことで欧州産ワインの需要増につながっている。チリワインは前年よりもシェアを落としたとはいえ、コストパフォーマンスの高さや品種の多さなどを理由にユーザーから支持されており、依然、輸入スティルワインでの存在感は大きいといえそうだ。

10~12月の最需要期はプレミアムワインを訴求

 巣ごもり需要を追い風に、日常のちょっとした贅沢が味わえるプレミアムワインのニーズが高まっている。1000円以上の価格帯で人気なのが「カッシェロ・デル・ディアブロ」。高品質な味わいは世界中でもトップレベルの評価を獲得しており、日本でも1000円~1499円カテゴリーで圧倒的な販売ボリュームを維持している。10~12月の輸入ワインが売れるタイミングでは、高単価の売れるブランドの拡充が、ワイン販売量を伸ばすチャンスといえる。メルシャンでは「ディアブロ」に「世界No.1チリワイン」の首かけPOPを付けて訴求し、購買を促進する。

 一方、ボリュームのある低価格帯のチリワインも好調で、この価格帯をリードするのが、フレッシュでバランスがよく飲み飽きない味わいの「フロンテラ」ブランド。17年から20年まで4年連続で最高売上を更新している。この秋は、店頭での視認性を高めるためにラベルをリニューアル。ブランドの象徴であるアンデス山脈に金箔を配してインパクトのあるデザインに仕上げた。目につきやすく、覚えやすいラベルにすることで、継続購入を促進する。また、上質な味わいのプレミアムシリーズは、パッケージのリニューアルに合わせて、オーク使用の香り高いワインにブラッシュアップ。トライアルを促進する。

 今後も家飲み需要は継続することが予想されるため、店頭ではチリワインの魅力を伝えて新たなファン拡大につなげていきたいところだ。