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プレーンヨーグルト市場、食シーンが広がり大容量中心に消費量は増加

ヨーグルトイメージ
i-stock/IGphotography

新型コロナウイルス感染症の流行により、内食生活が浸透したことで、喫食機会が増えている大容量のプレーンヨーグルトが好調に推移した。料理への活用も広がっているプレーンヨーグルトは引き続き、拡大が予想される。

在宅時間の増加により4、5月の金額PIは2ケタ増

 KSP-POSのプレーンヨーグルトの期間通算(2020年3月~21年2月)の金額PIは、6588円で対前年同期比9.6%増となった。新型コロナウイルス感染症の流行により需要は拡大しており、1回目の緊急事態宣言期間の4月の金額PIは7184円で同17.9%増、5月は7536円で同18.6%増と、2カ月連続で2ケタ増となった。解除後の6月以降も堅調に推移している。在宅勤務や外出自粛が求められたことで、家庭で食事することが増え、大容量のプレーンヨーグルトは朝食だけでなく、昼食や夕食時にも食シーンが広がっている。さらに、ヨーグルトを料理に使うケースも増えているようだ。

 明治では、料理などにも活用しやすく、好みに応じてアレンジできる、注げるタイプのプレーンヨーグルト「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン乳素材だけ/無添加」の700gを昨年発売し、今年春には400gをラインアップした。スプーンが不要なので料理にも活用しやすい。新たなプレーンヨーグルトの提案で、食シーンを広げていく考えだ。

 一方、機能性ヨーグルトは例年、風邪やインフルエンザ流行時期に伸長するが、今シーズンは新型コロナウイルス対策として手洗いや外出時のマスクが徹底されていたことから、インフルエンザの流行が抑えられたため、この春は厳しい状況となった。

 また、在宅勤務が浸透したことで、都心部でのコンビニエンスストアの客数が減り、コンビニ中心の個食タイプのヨーグルトは苦戦する結果となった。

たんぱく質摂取意向が高まり、ギリシャヨーグルトが好調に推移

 ドリンクヨーグルトも好調で、期間通算の金額PIは、9236円で対前年同期比11.4%増。月別にみると2月から9月まで2ケタ増となったが、12月以降は1月を除き、前年割れとなった。大容量のドリンクヨーグルトは堅調だったのに対し、機能性のドリンクヨーグルトが厳しい結果となった。

 また、カラダづくりに必要な栄養素として注目を集めているのがたんぱく質で、ヨーグルトのなかでたんぱく質が豊富に含まれているのがギリシャヨーグルト。直近では、自粛生活により運動機会が減り、“コロナ太り”を気にする人にギリシャヨーグルトが選ばれ、市場は好調に推移。朝食だけでなく、食事の1品として取り入れられるなど、食シーンも広がっている。

 日本で最初にギリシャヨーグルトを発売した森永乳業の「ギリシャヨーグルト パルテノ」も好調に推移。この春はプロテイン量をわかりやすく表示するパッケージリニューアルを図った。健康価値を訴求することで、新たなファンを獲得する。

 また、同社では森永製菓の「inブランド」からプロテイン12gを配合した「inプロテイン のむヨーグルト」を4月に発売した。毎日の習慣に取り入れやすいヨーグルトで、おいしく手軽にプロテインがチャージできる商品となっている。

 健康や美容のために、たんぱく質摂取が重要視されていることから、ギリシャヨーグルトやたんぱく質強化ヨーグルトのさらなる拡大が期待されている。