メニュー

乳酸菌関連商品、コロナ対策のひとつとして注目低調だったヨーグルトが大幅伸長!

 

新型コロナウイルスの感染拡大によって、健康に対する意識はこれまで以上に高まっている。感染症から身を守るためにも健康でありたいと考え、機能性商品を活用する消費者が増えていることが市場動向でもうかがえる。そこで今回は、「健康・機能性市場トレンド2020秋・冬」と題して、顕著な動きのあった4つのカテゴリーを取り上げてレポートする。

乳酸菌関連商品

コロナ禍で免疫力を高め腸内環境を改善するために

【対象商品】ヨーグルト、乳酸菌飲料の全商品、その他カテゴリーで登録商品名に“乳酸菌”が含まれる商品

 乳酸菌関連商品は、2019年8月から20年1月までは金額前年比マイナスで推移していたが、2 月以降プラスに転じた。とくに顕著なのが4月と5月の伸びで、10ポイント以上のプラスとなった。その理由として考えられるのは、やはり新型コロナウイルスだ。カテゴリー構成比で80%以上を占めるヨーグルトが、コロナ対策における“免疫力を高める食品”として注目されたことで売上が一気に高まった。

ヨーグルトにフォーカスした売上ランキングをみると、森永乳業の「トリプルヨーグルトドリンクタイプ」の金額前年比は脅威的な伸長だった。 i-stock/IGphotography

 また、コロナ禍での学校の休校や外出自粛、長期化する在宅勤務などから、“巣ごもり便秘”などの言葉に代表されるように、大人だけでなく子供も運動不足による影響が深刻化。そのため、腸内環境を改善する乳酸菌関連商品の購入が進み、カテゴリー全体の売上を押し上げた。

 実際、緊急事態宣言下の4月に着目し、ヨーグルトにフォーカスした売上ランキングをみると、第1位の森永乳業の「トリプルヨーグルトドリンクタイプ」の金額前年比は脅威の795.96%という大幅伸長を遂げている。2位の同じく「トリプルヨーグルト」も同622.4%を達成。3位以下も従来では考えられないような伸び率を示している。ヨーグルトは長らく前年並み、ともすれば微減傾向が続いていただけに、いかに感染症から身を守り、健やかに暮らすために、需要が上がったかが容易に推測できる。

【対象商品】ヨーグルト、乳酸菌飲料の全商品、その他カテゴリーで登録商品名に“乳酸菌”が含まれる商品

「ヤクルト」が健闘するもランキングはヨーグルト中心

【対象商品】ヨーグルト、乳酸菌飲料の全商品、その他カテゴリーで登録商品名に“乳酸菌”が含まれる商品

 20年7月の売上ランキングをみると、2位、5位、11位の「ヤクルト」を除いてすべてヨーグルト商品というのが興味深い。明治の「ブルガリア」を筆頭に、同じく明治の「R- 1」や雪印メグミルクの「ナチュレ恵」など定番ブランドが並ぶ。TVや新聞などで「免疫力を高めよう」という情報が盛んに流れ、その具体策としてヨーグルトの喫食が進んだたことがよくわかる。逆に言えば、そうしたなかでもヤクルトがランクインしたのは、「ヤクルト=乳酸菌飲料」ということが消費者の間に根付いているということであり、ロングセラーブランドならではの強みがうかがえる。

 とかくヨーグルトに注目しがちだが、乳酸菌をキーワードにした商品は近年増加傾向にある。売上はまだまだ小さいが、チョコレートやかまぼこなど多岐にわたる。こうした商品が次々と登場するのも、高まる健康意識の現れといえるだろう。

以降、2つのカテゴリーについては、10/23以降、公開します。

・糖質オフ・ゼロ系ビール類 10/21公開
・プロテイン訴求商品 10/23
・糖質オフ商品(加工食品) 10/24