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カテゴリーフォーカス=ごま、健康イメージの高さからコロナ禍以降は市場が大幅拡大

ごま
写真/kuppa_rock

一時期と比べ、停滞していたごまのマーケットだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、健康的な食生活を意識する人が増えたことから、今年の春先以降に需要が拡大。現在も伸長が続いている。

マーケットトレンド:健康食材として再度注目3月以降は大幅伸長

 毎日の食事にも取り入れやすい健康食材として人気の高いごま。KSP-POSによると、ごまカテゴリーの2019年7月から20年6月の期間通算の金額PIは、対前年比1.0%増の1075円、数量PIは同1.5%増の7.65と、金額・数量ともに前年を上回る結果となった。平均金額については同0.6%減の140.55円となっている。

 月別の対前年推移を見てみると、19年7、8月は前年並みから微増傾向、9月は消費税増税前の駆け込み需要の影響によって同7.9%増と大きく伸長した。増税直後の10月は同0.4%減と微減程度だったが、11月は同14%減と大きく落ち込んでいる。その後も、19年12月から20年2月までは前年を割っていたが、20年3月以降は回復し、5月、6月については2ケタ増の大幅伸長となっている。

 3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、消費者のマインドが大きく変化するなか、さまざまなカテゴリーが影響を受けている。ごまについては健康や美容によいというイメージがある点、乾物中心で日持ちする点、さまざまな料理に利用しやすい汎用性の高さなどの理由から、需要は拡大傾向にあるようだ。とくに、健康志向の消費者が増えたことは大きく、そういった意味でもさまざまな栄養素を豊富に含むごまのニーズは高まっている。

 商品カテゴリーも幅が広く、調味料としても優秀なごまは、スーパーマーケットの乾物売場の定番商品として、しっかりと存在感を示しているといえるだろう。

使い方やレシピ提案でトライアルを促進

 ごまはテレビの健康番組等で取り上げられることが多かった数年前に比べると、市場に勢いはないものの、安定した人気を保っている食材の一つだ。とくに近年はごま特有の栄養成分であるセサミンの抗酸化作用に注目が集まっており、中高年を中心とした健康志向のユーザーに支持されている。

 今期については新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費者も不要不急の外出を控え、自宅で過ごす時間が増えている。体によいものを摂りたいという機運は高まっているが、そういった意味でも、健康・美容イメージの高いごま製品への期待はさらに高まっていると考えてよいだろう。

 ごま製品のトップメーカーである真誠では、今秋の新商品として「無添加ふりかける胡麻」を発売。同品は、ごまと素材の味を大切にした化学調味料、着色料、香料等不使用の味付けごまとなっており、ふりかけタイプなので、白いご飯のお供はもちろん、弁当等でも使いやすい商品となっている。

 ごまは基本的に乾物売場で展開されているが、ごまには白ごま、金ごま、黒ごまといった種類の違いのほか、すりごま、いりごま、ねりごまといった加工方法による違いもあり、商品の選び方が難しいと感じる消費者も多いだろう。また、ふりかけやごま塩といった調味料タイプの商品もあるため商品によっては売場が分かれてしまうこともある。

 それぞれの商品特徴や使い方の違い、商品の選び方など、レシピと絡めて紹介することで、生活者に気づきを与えトライアルの促進を促したい。

真誠=ごまのおいしさを追求した素材由来の安心感「無添加ふりかける胡麻」を発売

ごま製品のトップメーカーである真誠では、素材由来の安心感を打ち出した「無添加ふりかける胡麻」を発売。また、好調なきな粉の新商品としてカルシウムやビタミンD、ごまパウダー等を配合した栄養機能食品「高たんぱくきなこ」を発売し、新たな需要を創造している。

無添加・食材由来の安心感を打ち出した味付けごま

 近年、健康素材として注目されることの多いごま。その食べ方の中でも、ふりかけタイプのごまは、他のふりかけとは異なる素材感や、ごま自体の風味を大切にした味わいで、幅広い年代に支持されている。

 また、食材選びの傾向として、米油をはじめとした穀物由来の食用油や、麹由来の調味料など、素材感・安心感のある食品を日常に取り入れたいというニーズが高まっている。

 また、「無添加」に対する消費者の意識は高く、「無添加・不使用」表示商品の方が安全だと考えて「無添加・不使用」表示商品を購入する人も多い。

 真誠ではこれらのニーズを踏まえ、味付けごまの新商品として、「無添加ふりかける胡麻」を2020年9月に発売する。

 コンセプトはごまと素材の味を大切にした味付けごま。ラインアップは国産あおさを微粉末にし、砂糖や醤油で味付けした磯の香り豊かな「あおさ味」、鰹節粉を砂糖や醤油などで調味した甘辛い「おかか味」の2種となっている。

 ごま製品の主要購買層は中高年世代だが、同品は素材由来のおいしさや安心感を好む30代後半から50代の主婦層をターゲットに絞り、家族の健康を考えた食事づくりを行い、昔から素材の優しい味わいが好きな層に向けて訴求する。

たんぱく質や栄養素を摂取「高たんぱくきなこ」

 真誠が、ごま製品とともに力を入れているのがきな粉製品だ。20年3月に発売した「高たんぱくきなこ」はたんぱく質と栄養素が摂取できる栄養機能食品として注目されている。

 きな粉は、大豆を使った健康食材としてTV等でも取り上げられることが多く、好調に伸長するカテゴリーのひとつ。それまできな粉は餅にまぶす利用が主流で季節商材としての側面が強かったが、近年は飲み物や菓子づくりなど、調味料としても利用されており年間商材として定着しつつある。

 真誠の「高たんぱくきなこ」は、健康効果が注目されているきな粉の大豆たんぱくを強化した商品。国産大豆を100%使用し、カルシウムやビタミンDのほか、11種のビタミンやごまパウダーを配合した。通常のきな粉に比べたんぱく質が30%多く含まれており、高齢者が不足しがちなたんぱく質と栄養素が手軽においしく摂取できる。

 パッケージはトーストやきな粉ラテなど使用シーンがイメージしやすい、シズル感のある画像と、乾物売場ではあまり見られないポップなデザインが特徴だ。高たんぱく食品であることから糖質オフ食やからだづくりメニューにも取り入れやすく、健康意識の高い客層に訴求する。

 店頭用のツールとして、多箇所展開しやすい専用のボール箱什器も用意。真誠ではごまおよびきな粉製品の多彩な商品開発により、乾物売場の活性化に貢献していきたいとしている。