包丁いらず! 冷蔵いらず! 常備食として市場定着を図る
ニッポンハムのランチョンミートの「ストックポーク」が好調だ。和洋中どんな料理にも活用できる汎用性の高さに加え、2年間常温保存できるため常備食としてストックしやすく、キャンプなどでも活用できることから新たな需要も掘り起こしている。
日本人の好みに合わせたランチョンミートを提案
有職主婦の増加に伴い、買物頻度が減少したため、家庭での買い置き需要が高まっていることを受け、ニッポンハムでは常温保存できるランチョンミートの「ストックポーク」を発売した。従来のランチョンミートは独特のにおいがあり、それが苦手だという人も多いことから、においを低減し、日本人に合う味わいに仕上げた。料理素材としてぴったりな加工肉なので、炒め物や揚げ物、煮物のほか、そのままおにぎりの具材としても活用できるのが特長だ。
しかも常温保存できるうえ、加熱済みなので、火の通りを気にすることなく、手間のかかった肉のおかずがつくれるので時短調理にもつながる。包丁を使わずに、スプーンですくったり、袋に入れてもみ込めばひき肉の代用として、肉詰めなどが簡単につくれる。
発売時に同社が行った消費者調査によると、「ヨーグルトのようなパッケージがおしゃれでデザインがかわいい」、「幅広いアレンジができて便利」「常温保存ができるため常備食としてストックしやすい」「使いたい分だけスプーンですくえるので便利」といった声が寄せられ、調査の結果、購入意向は95%となった。
同社では「ツナ缶やさば缶などのように、常に家庭にストックされている食材をめざしている」ということだ。これまでのランチョンミートにはなかった価値を提供することで、普段使いに便利な食材というポジションを獲得し、新たなカテゴリーを創造していく。
普段使いと合わせてキャンプや非常食としても提案
「ストックポーク」は新たな需要を喚起するために、使い方を徹底的に訴求していく。「包丁いらず!冷蔵いらず!肉ぃ!おかずの素」をキャッチコピーに、「そのまま・すくう・詰める」の商品特長をアピール。肉詰めピーマンやお鍋の具材、海苔ごはんなど幅広い食べ方をWEB動画で配信している。イメージキャラクターには、女性からの好感度が高い高橋メアリージュンさんを起用。店頭販促物のほか、精肉売場やエンド、平台などで展開できる什器なども用意し、店頭訴求も強化していく。
また、常温保存が可能で持ち運びも便利な「ストックポーク」の特長を生かし、キャンプシーンで活用できることを訴求。キャンプ芸人として人気の“たけだバーベキュー”さんがキャンプのシーン別メニューを考案。3月からSNSや店頭にて、実演しながら「ストックポーク」の魅力を紹介する動画を配信している。
さらに昨今の防災意識の高まりにより、災害時に備えたローリングストックとしても最適なことから、同社では「ストックポーク」と常温食材を使って、水、ビニール袋、カセットコンロがあれば簡単においしく調理できるメニューを開発し、リーフレットとセットにして販売することを提案していく。アウトドアショップやホームセンターなどに販路を広げることで、新たな市場開拓につなげていく考えだ。