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味の素冷凍食品 家庭用冷凍ギョーザのパイオニア “わが家の味”として愛されるブランドへ=連載:深掘りすれば見えてくる「ギョーザ」

深掘りすれば見えてくる 餃子編

 1972年の発売以来、ごはんにぴったりの味付けと手軽な調理法で支持されている「ギョーザ」。目下、16年連続冷凍食品売上日本一を達成している。ラインアップを拡充し、プロモーションにも注力することでターゲットとオケージョンの拡大に成功。家族三世代から愛されるブランドをめざしていく。

王道の味を極めて16年連続売上日本一

 今でこそ、電子レンジは家庭において欠かすことのできない家電だが、1970年頃の普及率は5%未満。そうしたなかで味の素が冷凍食品の開発コンセプトに掲げたのは、「①家庭の食卓にのぼる頻度が比較的高い ②家庭で手づくりしにくい ③家庭の調理器具で解凍調理が容易にできる」だった。これらを基に開発を進め、72年に発売された12品の1つが「ギョーザ」だ。

 以来、永久改良を合言葉に技術開発と品質改良を行い、ブラッシュアップし続けた結果、冷凍食品カテゴリーを代表する商品に成長した。実際、2003年以降16年連続で冷凍食品売上日本一を達成している。

 「ギョーザ」が支持される主な理由は3点ある。まず、パリッとした薄皮の中にジューシーな具がギュッと詰まった王道のギョーザという点だ。にんにく風味のしっかりとした味付けはごはんのおかずにぴったりで、タレをつけなくてもおいしく味わうことができる。

 2つ目は調理法が簡単という点だ。これを可能にしたのが、「羽根の素」の技術だ。油や水をベースにした羽根の素をあらかじめギョーザの底面に付けておき、フライパンの上で加熱すると、それらが溶け出して羽根にな る仕組みだ。これにより、水も油も使用せずに誰でも簡単にパリッパリの羽根付きギョーザが焼けるのはもちろん、調理の手間も省いている。

 3つ目は原料となる肉と野菜はすべて国産を使用している点だ。とくにキャベツは季節に応じて最も適した産地のものを選んでいる。また、皮に使用する小麦はもちもちとした食感やコシ感が特徴のオーストラリア産プライムハード種を使用。こだわりの素材で安心・安全・おいしいを実現している。 

水も油も使用せずに誰でも簡単にパリッパリの羽根ができる「ギョーザ」(右) にんにく不使用で、しょうがの風味が利いた飽きのこない味の「しょうがギョーザ」(左) 扇形で一口サイズ、パリパリの食感でお酒によく合う「ひとくち餃子」(下)

ターゲット&オケージョンを拡大するラインアップに

 現在、味の素冷凍食品では「ギョーザ」のほか、「しょうがギョーザ」と「ひとくち餃子」も展開し、ラインアップの拡充を図っている。

 18年秋に新たな定番の味として発売された「しょうがギョーザ」は、にんにくを使用せず、代わりにさっぱりとしたしょうがの風味を利かせたギョーザだ。開発チームが専門店を食べ歩いて研究し、食べ飽きない味を追求してたどり着いた味で、発売以来、女性を中心に好評価を得ている。

 一方、19年秋に発売した「ひとくち餃子」は、例えるならお酒に合うギョーザだ。昭和30年代から大阪ではおなじみの、扇形で一口サイズ、パリッパリの食感が楽しめるギョーザをモデルにしている。ピリッと辛いラー油を使用し、コク深い味わいがクセになるおいしさだ。昨今、人気が高まる家飲み需要を意識した商品でもあり、オケージョンの拡大を図っている。また、20年5月下旬より肉量史上最高*、食べ応え抜群な「肉餃子」の数量限定発売を予定している。

 これら商品で冷凍ギョーザ市場をリードしているが、同社ではまだまだ成長ののびしろはあると見込んでいる。というのも、「ギョーザ」は売上日本一ではあるが、年間購入率はまだ2割程度。とくに20~30代の購入率が低い。そこで、こうした若年層にも手にとってもらうために、おいしさはもちろん、「ギョー ザ」がもつ楽しさも伝えるプロモーションを積極的に展開し好評を得ている。

 今後も「ギョーザ」を中心にラインアップを強化していくことで、家族三世代から愛される定番の味をめざし、ブランドを育成していく考えだ。※当社家庭用餃子類従来品比

若年層をターゲットにしたユニークな「ギョザマキャンペーン」のポスター