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ギフト市場、中元・歳暮ギフトは減少傾向 カジュアルギフトは需要拡大

中元や歳暮などのフォーマルギフト市場が縮小傾向にある一方で、誕生日や母の日、父の日などのカジュアルギフトは年々需要が高まっている。コロナ禍で気軽に会えない状況のなか、離れて暮らす相手にギフトを贈ることで、コミュニケーションを図ろうとする動きが拡大しているようだ。

ビール・ハムソーギフトは中元期・歳暮期とも微減

 ライフスタイルの変化やコロナ禍での影響を受けて縮小傾向が続いている中元・歳暮市場。ただ、コミュニケーションの手段としてのカジュアルギフトは年々需要が高まっている。また、在宅時間の増加から、自宅用に購入するなど、これまでにない需要が発生している。購入場所も変化しており、店頭での購買は減少し、通販が中心となっているようだ。

中元や歳暮などのフォーマルギフト市場が縮小傾向にある一方で、誕生日や母の日、父の日などのカジュアルギフトは年々需要が高まっている。(i-stock/shironagasukujira)

 21年の中元期(6~8月)と、歳暮期(11~1月)は、全体的に前年割れとなった。とくにギフトの定番であるビールギフトやハム・ソーセージギフトは大きく前年割れとなった。KSP-POSデータによると、ビールギフトの中元期の6月の金額PIは1439円で対前年同期比15.1%減、7月は5698円で同3.1%増、8月は3032円で同11.7%減。歳暮期の11月は1633円で同6%減、12月は5589円で同4.3%減、1月は450円で同1.8%増。天候的な要因も考えられるが、6月と8月は2ケタ減となった。

 高級素材を使ったものや添加物無添加などのこだわりの商品が人気のハム・ソーセージギフトの中元期の6月の金額PIは、735円で同2%減、7月は2064円で同0.1%減、8月は1157円で同6.3%減。歳暮期の11月は1775円で同0.2%減、12月は6234円で同0.4%減、1月は569円で同10.3%増。中元期も歳暮期も微減となっている。

家庭用食用油の値上げの影響で、汎用油ギフトの需要が高まる

 食用油ギフトも全体的に元気がない。中元期の6月の金額PIは389円で対前年同期比7.1%減、7月は1201円で同3.3%減、8月は1116円で同1.4%減。歳暮期の11月は672円で同0.3%増、12月は1851円で同6.2%減、1月は394円で同8.3%減。これまで食用油ギフトを牽引してきたオリーブオイルはやや一段落した感があり、昨年好調だったのが、レギュラーやキャノーラ油などの汎用油を詰め合わせたギフト。これまでは特別感のある食用油の詰め合わせが好まれたが、昨年は食用油が段階的に値上げを行ったことで、毎日使用する汎用油を贈る人が増えたことが予想される。

 その一方で、アマニ油やえごま油、MCTオイルなどの、サプリメントのように毎日摂取するオイルも好調となっている。

 家庭用食用油の価格改定が続くなか、食用油ギフトも22年度の中元期に向けては値上げが予想される。各社では値ごろ感、特別感などをテーマに訴求している。

 調味料ギフトの中元期の6月の金額PIは119円で同0.8%減、7月は346円で同6.5%増、8月は541円で同5.8%増。歳暮期の11月は181円で同7.4%減、12月は662円で同9.4%減、1月は190円で同1.5%増。調味料ギフトはシニア層から支持されているため、化学調味料無添加や減塩タイプなど、健康を気づかったものに需要が集中している。

 コロナ禍で気軽に会えないなか、改めて気持ちを伝える手段としてギフトが見直されており、カジュアルギフトが市場拡大の鍵となりそうだ。