ヨーグルトの健康価値が高まり、伸長を続けてきたのむヨーグルト市場だが、2017年以降は縮小傾向が続いている。そこで明治ではのむヨーグルト市場を分析し、新たにターゲットを明確にした商品戦略を展開し、市場拡大につなげていく。
のむヨーグルトは「甘みのあるジュース」のイメージ
明治が行った調査によると、食べるタイプのヨーグルトは健康食品としてのイメーがあるが、のむタイプは「甘みのあるジュース」としてとらえられていることがわかった。とくに大容量タイプはその傾向が強く、ジュースのように飲まれているものが多い。そのため、健康価値を求めて、豆乳や野菜飲料など他の飲料へ流出していることが、のむヨーグルト市場縮小の要因のひとつと考えられる。のむヨーグルトのヨーグルトとして持つ健康価値を訴求することにくわえ、毎日の継続飲用に適した中身にすることが必要だ。
そこで明治では、のむヨーグルト市場を分析して新たにターゲットを明確にした商品戦略を展開。のむヨーグルト市場を構成するユーザー属性を分析したところ、最大ボリュームの「子あり世代」、働く自分向けに余計なものをとらず、栄養素添加を求める「子なし働く世代」、ヨーグルトらしいさわやかさや自然感を重視する「シニア世代」の3つに分けられる。各ターゲットのニーズに合わせて、「明治ブルガリアのむヨーグルト」4品をこの春に新発売した。
「子あり世代」には、キレのある甘さの「明治ブルガリアのむヨーグルト 甘さひかえめ」と、低糖・低カロリータイプの「同 低糖・低カロリー」、「子なし働く世代」には、コップ1杯(200ml)に半日分のカルシウムと鉄分を配合した「同 カルシウムと鉄分」、「シニア世代」には乳素材だけでつくったプレーンタイプ「同 無添加プレーン」を提案。中身は糖類の最適な組み合わせと量を調整することで、後引く甘みを抑えてベタッとしない甘さを実現した。
また、同社の乳酸菌マーケティング部ヨーグルトGライブラリー約6000株からターゲットに合わせて、のむヨーグルトに最適な乳酸菌を選択。低酸味かつ保存中も酸味上昇が緩やかな乳酸菌となっている。(無添加プレーンはLB81乳酸菌を使用)
薬局でのデジタルサイネージで、のむヨーグルトの健康価値を訴求
パッケージはよりシンプルにし、商品特長をわかりやすく訴求。また甘さに関する情報をパッケージで押し出し、手に取りやすくした。
今回のリニューアルにより、従来のジュースのような位置づけから脱却し、食べるタイプと同等のポジションへ展開するのがねらい。4月の発売以来、とくに「カルシウムと鉄分」と「無添加プレーン」は想定したターゲットから高い支持を集めている。
この秋の取り組みとしては、食生活記録・改善アプリの「あすけん」とタイアップして、「明治ブルガリアのむヨーグルト」の継続飲用を促していく。さらに11月から1カ月間、病院や薬局で流れているヘルスケアビジョンでデジタルサイネージを展開。「明治ブルガリアのむヨーグルト」の健康価値や継続しやすい中味であることを訴求して、購買を促進する。また、店頭では4品の商品価値を訴求したPOPを用意して、のむヨーグルト売場の活性化を図る。
同社ではトップブランドとして「明治ブルガリアのむヨーグルト」ブランドの強化を図り、市場を盛り上げ行く考えだ。