顧客満足度向上と生産性向上の好循環が生まれる
小売業界では慢性的な人手不足やコロナ禍での働き方改革、店舗オペレーション改革などの課題が山積みとなっている。ECの台頭による競争激化の影響もあり、あらためてリアル店舗でのサービス品質・顧客体験の向上が求められるようになっている。多店舗・動画マネジメントシステム「ClipLine」を小売業や外食、サービス業を中心に1万5000店舗以上に提供しているClipLineは、そうした課題を解決するため、新たに顧客アンケート収集・分析ツール「ClipLine サーベイ」を発表した。リアルタイムに“顧客の声”を収集し、企業の本部・店舗・スタッフが素早く改善施策を実行に移せる、店舗・従業員の品質向上につながる仕組みを低コストで提供するという。
個店主義のオオゼキでは店舗の成功事例をスピーディに共有
リアル店舗とECの最大の違いは、リアル店舗の場合、リアルな場で顧客に体験価値を提供できること。そのために店舗スタッフの接客スキルを向上させることが重要だ。多店舗展開する小売業の場合、ブランドイメージを良い方向で定着させるためにも、顧客への価値提供レベルを高く、均一に保つ必要がある。しかし本部からの指示など情報を伝達するスーパーバイザーやエリアマネージャー、店長などが業務に忙殺されていれば、そうした必要な情報が停滞してしまう可能性がある。反対に店舗スタッフから挙げられる情報が、マネージャー層から本部へスピーディに伝わらないという現象も起きがちだ。
「ClipLine」はトップダウンから、反対にボトムアップでも情報共有をサポートする双方向の人材育成を可能にし、”現場”である店舗という”ラストワンマイル”の実行力を向上するマネジメントツールである。
多店舗展開で起きがちな店舗ごとの接客品質などのバラつきは、「ClipLine」で提供される動画を使い、他店の情報を得ることで改善につなげることができる。「バラつきというとネガティブなイメージがありますが、それよりも他店のベストプラクティスを共有することで店舗スタッフが自主的に改善に取り組むことが可能になります」と齋藤氏はプラスの面での効果を挙げる。
世田谷区を中心に食品スーパーを展開するオオゼキもClipLineを活用している企業のひとつ。
個店主義を掲げているが、各店舗のスタッフにとっては他店の取り組みは気になる。本部から指示されなくても、自主的に他店と情報共有できるツールがあれば、動画だけでなくテキストも使って他店で効果をあげた試食販売の方法や商品陳列を取り入れることができる。もちろん本部にとっては、店舗スタッフの教育・育成のための情報配信を目的に積極的に活用することもできる。「顧客体験価値向上のために、店舗は努力しています。ClipLineは成功事例を共有したり、自ら改善したりするために誰でも使うことができ、店舗スタッフのスキルを高め、多店舗展開でも高い品質での均一化が可能になります。」と、齋藤氏も活用のメリットについて話す。
顧客アンケート結果をリアルタイムで改善にいかせる「ClipLine サーベイ」
そんなClipLineが、新たに提供を開始したのが、リアルタイムで”顧客の声”を収集するアンケート収集・分析ツール「ClipLine サーベイ」だ。
飲食業や小売業でも、例えばレジ横などに顧客の声を集めるためにハガキやアンケート用紙を置いてある光景をしばしば目にする。ハガキやアンケート用紙では、顧客に記入してもらっても集計に時間がかかり、そのための作業も必要になるため、情報共有が遅れることも少なくない。それを避けるためにアプリにコミュニケーション機能を実装するケースもあるが、アプリ開発も必要になりコストもかかる。ClipLine サーベイは、レジ横や店舗に掲示したQRコードを顧客が読み取れば回答画面に接続され、手軽にアンケートに回答できる。
「ClipLine サーベイ」の大きな特長は、即時改善を実現する仕組みを提供している点にある。
回答結果は現場、店長、SV、本部にまで即時でメール通知が可能で、スピーディな改善活動に繋げることができる。
オンラインでのアンケートでも、大半の顧客満足度測定ツールは本部への月1回のレポートに留まるなど、改善が必要な現場まで情報が伝わらず、問題が放置されたままになりかねない。それに対し、今その場にいる顧客の不満を即時改善できるのが「ClipLine サーベイ」の強みだ。
首都圏ですしチェーンを展開する銚子丸は21年10月にまず「ClipLine」を全店舗で導入し、現在は「ClipLineサーベイ」も活用している。その銚子丸のある店舗での活用エピソードが「ClipLine サーベイ」の特長を物語っている。
ある時、顧客から「カニ汁がしょっぱい」という声が寄せられた。店舗ではそのアンケートの声を受けて、すぐに味をチェック。そして配膳されたカニ汁についても、「少し塩味が強いので」と素早く交換することができた。
「ダイレクトレスポンスがあってこそスピーディな改善ができる」という点も重要だが、店舗スタッフがすぐにマネージャーに報告して対応できたことは、店舗の印象を良くすることにつながる。通常ならそうした顧客からの指摘は、ハガキやアンケート用紙に記入し、チェックするのは数日後になってしまう。すぐに改善施策を実行に移し顧客対応ができれば、店舗スタッフのモチベーションも上がる。QSC(クオリティ・サービス・クリンリネス)の向上で、従業員のエンゲージメントも高まる。顧客の声を「入口」にすることで、店舗の改善レベルが向上し、品質向上に繋がっている。
また、顧客が気軽にアンケートに回答できれば、クレームよりも店舗に対して良い印象やポジティブな回答が多く集まる傾向にあるという。「アンケートというとクレームばかりというイメージがあります。しかし『ClipLine サーベイ』の回答では店舗スタッフへの感謝やお褒めのコメントをいただくことも多いです。そうしたお客様の声をダイレクトに聞くことによって従業員満足度の向上に繋げることもできるでしょう」(齋藤氏)
また、「ClipLine サーベイ」では、即時通知の他に分析結果をレポートとして抽出することも可能。店舗の満足度や課題を項目ごとに分析し改善に繋げる他、他店舗と比較し店舗・拠点間の強みを可視化することができる。
安価に導入が可能。顧客と従業員の満足度向上を実現
導入コストの低さも導入を後押しする要素だ。参考価格として、10店舗・拠点で月額2万円(総額)で、利用店舗・拠点数に応じた割引もあるなど、安価に設定されている。
「ClipLineサーベイ」単体での利用ももちろん可能だが、「ClipLine」との連携も強みのひとつ。「ClipLine サーベイ」で集まった声に対して、それに対する対応の落とし込みや好事例の展開など、実行に繋げる仕組みの構築が一気通貫で行える。すでに『ClipLine』を活用している企業が、『ClipLine サーベイ』を導入するケースも増えているという。
「これまでもアンケートツールは、多くのソリューションが市場に提供されています。後発ではありますが、お伝えしたような即時改善の仕組みなど、『ClipLine サーベイ』ならではの強みやこれまで店舗・サービス業の課題解決のお手伝いをしてきたノウハウを知っていただき、活用に繋げていただきたいですね」(齋藤氏)
「ClipLine」を導入することで、サービスクオリティ向上や従業員のスキルアップ、従業員満足度向上と生産性向上の好循環が生まれる。さらに「ClipLine サーベイ」の活用により顧客満足度の集計や分析がスピーディに行え、改善施策に反映することで、さらに顧客満足度向上や従業員満足度の向上、サービスプロフィットチェーンの加速を実現する。
「『ClipLine』を既に導入している企業はもちろん、まずは手軽な形で『ClipLine サーベイ』を導入し、現場の抱える課題や強みを可視化したのち、さらに店舗や組織・経営改革のために『ClipLine』の導入を検討する企業もあり、そうした形でまずは課題を顕在化させるところから検討いただくことも良いかと考えています」と齋藤氏は語る。
顧客の声を素早く反映できる「ClipLine サーベイ」により、顧客視点での改善の仕組みが構築でき、多店舗・動画マネジメントシステム「ClipLine」を組み合わせることによって、本部や店舗での情報共有やオペレーションの高速な改善サイクルを回すことが可能になり、顧客満足度向上を図る施策が円滑に行えるようになる。
顧客の声からよりよい現場改善を行い、これからの時代の店舗に必要な組織機動力を獲得するため、「ClipLine サーベイ」の導入を検討してみてはいかがだろうか。