世界的なインフレが続くなか、米国でもディスカウント型の小売企業は引き続き好調を示している。なかでも存在感をさらに大きくしているのがアルディで、店舗数は食品小売最大手のクローガーをも抜き去ろうとしている。
そしてアルディを追う同業のリドルはいまだ成長の途上にはあるが、出店パターンの多様化で店舗網拡大をにらんでいる。
別格の客数増を示すアルディ
スマホの位置データを利用して人流を把握し、大手食品小売企業の来店客数を分析している調査会社によると、2024年前半に対前年比で最も客数が増えたのはアルディだった。
アルディ32.1%増、コストコ10.2%増、HEB8.6%増、クローガー3.5%増、ウォルマート3.4%増、アルバートソンズ3.1%増である。
クローガー、ウォルマート、アルバートソンズの3%台という数値は決して悪いものではない。ただアルディやコストコの大幅増の前では、数字が色あせて見えてしまうことになる。

あらためて言うこともないが、アルディとコストコはディスカウント型だ。昔も今もディスカウント型は相変わらず強いのだが、この2社は別格で、さらに30%台という数字をはじき出しているアルディは別世界といってもよい。
この2社のほかに、ウインコフーズ、グロサリーアウトレット、BJ’ sなど、ディスカウント型で好調な企業は少なくない。
ここで大前提として簡単におさらいしておくと、日本で一般的に認識されているディスカウントストアとはアメリカの「クローズアウター」を意味していることが多いので、注意が必要である。
クローズアウトとは、
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