英スーパーマーケット(SM)大手のセインズベリーは2月12日、ロンドン中心部の金融街シティに都市型コンビニエンスストア「オン・ザ・ゴー(On the Go)」の1号店をオープンした。
既存店の「マンションハウス店」を全面改装した同店の面積は約200平方メートル。忙しいオフィスワーカーのニーズに合わせて、品揃えの90%は同店独自のものにしたという。冷蔵と常温の調理済み食品や店内で焼き上げたベーカリーやピザ、果物、飲料、アルコール類などテイクアウト需要に対応した商品が中心で、ホットフードを販売するカウンター、委託業者が運営する寿司の対面カウンターもある。セルフサービスのコーヒーと絞りたてジュースも販売する。イートインコーナーが併設されており、店内で飲食することもできる。
店舗の出入り口付近には、パンや果物、飲み物などをすぐ手に取って購入できる「グラブ・アンド・ゴー」セクションを設置。朝食用、ランチ用、アフタヌーンティー用と1日に3回、陳列する商品を入れ替える。
セインズベリーでは、2月中にさらに9店舗のオン・ザ・ゴーをエジンバラ、ブリストル、グラスゴー、ロンドンの各都市のいずれも中心街にオープンする予定だ。同社は主要都市の中心街に130店舗以上の既存店があり、将来的にこれらの店舗をオン・ザ・ゴーに転換する可能性がある。
店舗には7台のセルフレジを設置するほか、スマートフォンアプリ「スマートショップ」を利用すれば、レジに立ち寄らずに精算を済ませることも可能だ。
英国のSM業界でテスコに次いで2番手のセインズベリーは2018年4月、米ウォルマート子会社で同業3位のアズダとの経営統合計画を発表したものの、競争・市場庁が計画を認めず、断念した経緯がある。
20年2月期は既存店の改装に集中投資しており、SM450店舗とコンビニ200店舗を改装する予定だ。