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ピザにニョッキに離乳食まで!カリフラワー・ブームは日本にも来る!?

アメリカのビジネス誌「FAST COMPANY」がカリフラワーを昨年のトレンド野菜に選んだ。ここ近年、アメリカでは糖質を多く含むパスタやお米などの炭水化物を野菜で代用した製品が大流行していて、その販売額は昨年4700万ドル(約51億7000万円、1ドル=110円換算)に達した。アブラナ科の野菜は、特に爆発的な人気を保っていて、中でもカリフラワーの人気はうなぎのぼりだ。

 ニールセンの調査では、カリフラワーを使った代用品は、2017年から2018年の1年間で1700万ドルに倍増し、カリフラワーが使われている冷蔵食品の売上は、2017年から2018年にかけて108パーセント増加、カリフラワー入りの離乳食は34パーセントも売上が増加した。

 アメリカの大手スーパーのTrader Joe’s(トレーダー・ジョーズ) は、2017年に自社でカリフラワー・ライスのブランドを立ち上げ、ヘルシー系スーパーマーケットのWhole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)もカリフラワー入りの食品の製造ラインを立ち上げた。

トレーダー・ジョーズはPBのカリフラワー・フライドライスやカリフラワー・ボウルなどを販売している

 ニールセンの消費者インサイト担当副社長のJordan Rost は、「カリフラワーを含む製品は、その全体的なカテゴリーよりも売上が急成長している」と述べた。カリフラワーをお米のように小さく切りそろえた袋入りの「カリフラワー・ライス」や、お米の代わりにカリフラワーで作ったチャーハン「カリフラワー・フライドライス」などの冷凍食品が市場では人気だ。蒸して潰したマッシュドカリフラワーや、カリフラワーから作られたベーキングミックス、パスタやニョッキなどを売り出すメーカーもある。カリフォルニアに住んでいるNicolaさんは、「カリフラワーライスを使ってパエリヤを作ったり、生のままサラダに混ぜ込んで食べたりしているわ。ダイエットに最高よ」と言う。Maryさんは、「子どもが野菜嫌いで困っていたけれど、カリフラワーのベーキングミックスを使ったパンケーキは食べてくれる」と話す。

 栄養学のエキスパートで、健康に関するトレンドのコンサルティングを行う会社、HAUTEbarの創始者であるHeather Smithは、カリフラワーが「野菜セレブ」の地位に達した理由の1つに、その栄養成分をあげた。(炊飯後の)白米100グラムには、150キロカロリー、34グラムの炭水化物、1グラムの食物繊維が含まれているが、同じ分量のカリフラワー・ライスの場合、25キロカロリー、炭水化物5グラムと少ない一方、白米の3倍量の食物繊維を摂取できる。また、低カロリーで、ビタミンCとミネラルが豊富に含まれていて、熱を通しても栄養が失われにくいのが特徴だ。癖がないためどんな料理にも合う。

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3秒に1枚売れる、カリフラワー・ピザの衝撃!

3秒に1枚売れる、カリフラワー・ピザの衝撃!

加熱するカリフラワーの市場を牽引するCAULIPOWER(カリパワー)

 そんな加熱するカリフラワーの市場を牽引している企業が、CAULIPOWER(カリパワー)だ。創始者のGail Beckerは、グルテンに耐性がないセリアック病と判断された息子たちのために、グルテンフリーのピザを作りたいと、マーケティング会社の仕事を辞めて立ち上げた。2017年3月にホールフーズの30店舗でカリフラワー・ピザを販売すると、1000万枚以上の売上があり、現在は、ウォールマート、セーフウェイなど、約22,000カ所のアメリカの食料品店で購入可能となっている。カリフラワー・ピザの市場には、トレーダー・ジョーズなどの企業も参入しているが、カリパワーは、市場の93%を占めているとベッカーは見積もっている。同社のピザは現在3秒に1枚売れている勢いで、売上は今年1億ドルに達する見込みだ。

ベビーカリフラワーとも言われる、新顔野菜のカリリーニは市場に定着するか!?

  そんなカリフラワーの人気にあやかって、カリフォルニアの農家が今年カリリーニと呼ばれる新しい野菜を開発した。カリフォルニア州サリナスにあるMann Packing Company2年間内密に開発してきたもの。カリフラワーのような味がするが、より甘くて柔らかく、ベビーカリフラワーとも呼ばれている。全体がとても柔らかいので、茎も調理でき、無駄がほとんど出ないという。同社は1998年にブロッコリーニ(ベビーブロッコリー)を世界に広めたのと同じ栽培者で、ブロッコリーニが大成功したため、カリリーニにも期待しているという。今後数カ月以内に、アメリカの食料品店やレストランに展開される予定だ。

 栄養素が豊富で、様々な調理法ができる上に、低炭水化物のカリフラワー。このカリフラワー人気が今後、日本にも浸透していくのか注目したい。