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イオン、セブン&アイの24年2月期決算分析 今後の成長戦略とは

セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)とイオン(千葉県/吉田昭夫社長)が2024年2月期の通期決算を発表した。セブン&アイは海外コンビニエンスストア(CVS)事業のM&A(合併・買収)や百貨店子会社の売却、イオンは国内食品スーパー(SM)とドラッグストア(DgS)事業の再編と、直近1年間はビッグニュースが相次いだ両社。二大流通グループの決算はどのような中身となったのだろうか。

セブン&アイ
そごう・西武売却で最終減益も営業利益は過去最高

 セブン&アイの2024年2月期の連結業績は、営業収益が対前期比2.9%減の11兆4717億円、営業利益が同5.5%増の5342億円、経常利益が同6.6%増の5070億円、当期純利益が同20.1%減の2246億円。23年9月、そごう・西武(東京都/田口広人社長)の全株式を米フォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investment Group)へ譲渡したことで計上した特別損益の影響により最終減益となったものの、営業利益は過去最高を更新している。

 トップラインが減収となった要因は、いまや営業収益全体の約75%を占める「海外CVS事業」だ。同事業の営業収益は同3.7%減の8兆5169億円、営業利益は同4.1%増の3016億円だった。事業の中核であり、ガソリンスタンド併設型店舗を展開する米セブン-イレブン(7-Eleven,Inc.)が、ガソリンの価格下落と販売量の減少により、チェーン全店売上高が同2.3%減と落ち込んだ。

 そのほか主要セグメントの業績を見ていくと、セブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下、セブン-イレブン)を中心とする「国内CVS事業」は、営業収益が同3.5%増の9217億円、営業利益が同8.0%増の2505億円と増収・増益だった。セブン-イレブンのチェーン全店売上高は同3.8%増の5兆3452億円、既存店売上高は同3.0%増、全店平均日販は前期から2万1000円増の69万1000円といずれも前期実績を上回った。

 SM、総合スーパー(GMS)からなる「スーパーストア(SST)事業」の営業収益は

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