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上場スーパーマーケット27社22 年度決算分析&ランキング 明暗、再編加速へ

決算1280

コロナ収束に伴う消費市場の変化と競争激化、さらには熾烈なインフレ下でのコスト増など、経営環境が厳しさを増している食品スーパー(SM)業界。2022年度の各社決算では、とくに利益面で苦戦する企業が散見され、経営コスト高騰の影響が大きく浮かび出ている。そうした状況下で、大手を軸とした合従連衡の動きも加速。SM業界では、各社の“実力”と“戦術”がモノを言う大競争時代に突入しつつある。

 感染拡大に伴う巣ごもり需要により、“コロナ特需”を享受したのも今は昔──。

 特需の終焉はすでに、前年度(21年度)の各社決算で示されていた。ダイヤモンド・チェーンストア誌2022年7月1日号「決算2022ランキング」に掲載したSM業態のランキングを振り返ると、営業収益は前年度との比較が可能な23社のうち、11社が増収、12社が減収と明暗がくっきり分かれた。さらに営業利益では16社が減益となっており、需要が集中したコロナ禍での好業績から一転、成長に陰りが見えていた。

SM業界では、各社の“実力”と“戦術”がモノを言う大競争時代に突入しつつある。

 もっとも、21年度の各社業績については、コロナ特需の反動減によるところが大きい。当時は社会的にもまだコロナ対策が求められる状況下ではあったが、ワクチン接種の拡大や感染者数の抑え込みによって徐々に人流が復活。それに伴い外食産業が復調の兆しを見せたほか、コロナ禍で浸透したECやフードデリバリーなど買物チャネルの多様化が加速。SMに需要が集中するような状況は見られなくなっていた。

 それから約1年。ほぼ出揃ったSM各社の22年度の業績に目を向けると、さらなる大きな変化が見て取れる。まず営業収益について比較可能な企業を見ると、上位でも減収となっているSMもある一方、堅調な推移を見せる企業もあり、前年度に続き明暗が分かれた。暗雲が垂れ込めているのが利益面である。各社の営業利益は、前年度と比較可能な22社のうち15社が減益。2ケタ減益も散見され、利益確保に苦戦する企業が多い。

 その背景にあるのは、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、世界情勢の変化に伴うインフレの加速だ。エネルギー、食品原料などあらゆるモノの価格が高騰するなか、消費マインドは依然停滞。SMにとっては集客・売上確保に苦戦するだけでなく、水光熱費の高止まりによって店舗の運営にも莫大なコストを要するという、二重苦の状況になっている。そうした厳しい状況が、各社の決算に如実に表れた格好だ。

新生・フジがSM業界トップに

 ここからは、上位企業の22年度の業績について見ていこう。まず、

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