吉野家ホールディングスは10月13日、2022年2月期の連結経常利益が従来予想を53億円上回る105億円になりそうだと発表した。前期の19億円の赤字から大幅な黒字転換となる。
新型コロナ感染症の影響による営業時間短縮に伴って、自治体から支給される感染拡大防止協力金や雇用調整助成金などの営業外収益が増え、経常利益を押し上げる。純利益は従来予想から27億円上振れし、47億円(前期は75億円の赤字)となる見通しだ。
一方、9月に緊急事態宣言が延長された影響などから、通期の売上高は前期比10.4%減の1527億円と従来予想から24億円下方修正した。原価や販売管理費の低減が進んでいることもあり、営業利益予想は27億円(前期は53億円の赤字)のまま据え置いた。
同時に発表した21年3〜8月期の連結業績は、売上高が前年同期比9.4%減の742億円、営業利益が7億円(前年同期は59億円の赤字)、純利益が31億円(同57億円の赤字)と減収増益だった。
セグメント別では、主力の吉野家の売上高が1.1%減の513億円、既存店売上高が3.2%減と苦戦が続いた。ただ、前期から実行しているコスト削減効果でセグメント利益は30億円と、前年同期に比べて約25億円の増益となった。セルフうどん店のはなまるは、テイクアウトやデリバリーが好調で売上高は14.8%増の106億円だった。セグメント利益は5億円の赤字だったが、前年同期から赤字幅が15億円縮小した。