外出自粛や在宅勤務の普及により高まった内食需要を取り込み、各社の業績は売上・利益ともに概ね好調だった。しかし、コロナ禍ではECの利用増など消費者のライフスタイルが変化しつつあるほか、ワクチン接種が進めば外食などに出かける動きも復活するとみられ、今後も成長を維持できるかは不明瞭だ。
コロナ特需で上位企業の大半が増収増益も来年度以降の成長は不明瞭
コロナ禍では、政府からの外出制限の要請や在宅勤務の奨励などにより、まとめ買い需要や巣ごもり需要が増大し、食品や日用品などの生活必需品を取り扱うSMへの需要が急激に拡大することとなった。調理ニーズの高まりに伴い生鮮食品の売上が伸長したほか、外食が制限されるなかで「家飲み」用の酒類やプチ贅沢のニーズを満たす高単価の商品などの需要も拡大した。
こうしたコロナ禍の特需を受け、2020年度のSM上位企業の業績は概ね好調に推移した。営業収益については、前年度との比較が可能な31社のうち29社が増収、営業利益に関しては前年度との比較が可能な28社すべてが増益を達成した。前年度は増収が23社、営業増益が17社だったことを考えると、コロナ禍によるSMへの需要増の効果の大きさが窺える。営業利益では大半が2ケタ以上伸長しており、なかには3ケタの伸長を記録する企業もあった。
しかし、20年度の成長基調が今後も続くとは限らない。コロナ禍ではECの利用率が高まっており、フードデリバリーのニーズも拡大しているなどライフスタイルの変化がみられる。また、ワクチン接種が進みコロナ禍の収束が現実味を帯びてくるなか、外食などへの需要が回復することも予想される。さらに、
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