紳士服専門店のタカキューは10月2日、新型コロナウイルスの影響による経営危機をふまえた事業構造改革案を明らかにした。2021年2月末までに不採算・低収益の約90店舗を閉鎖する。当初計画では21年2月期下期に2店舗を閉鎖する予定だったが、66店舗を閉鎖積して今期中に赤字店舗をほぼ一層する。
タカキューの店舗数は8月末時点で249店舗となっており、下期だけでそのうちの約4分の1を閉鎖する。上期には24店舗を閉鎖しており、通期での閉鎖店舗数は110店舗を超えることになる。
同社が発表した21年2月期上期(20年3〜8月)の売上高は前年同期比41.6%減の63億円、営業損益は20億円の赤字(前年同期は2億円の赤字)、純損益は19億円の赤字(同3億円の赤字)だった。3〜5月は新型コロナの感染拡大による緊急事態宣言の影響で全体の約8割に当たる店舗を休業した。6月以降は営業を再開したが、時短営業や外出自粛の影響が残り、上期の既存店売上高は37.2%減と大きく落ち込んだ。
このため、店舗閉鎖のほかにも本部の人員削減とオフィス面積の縮小、新規採用の凍結や人員配置の見直しによる人件費の削減などにより、固定費を圧縮する。21年2月期通期の業績は、売上高が前期比28.5%減の160億円、営業損益は29億円の赤字(前期は4億円の赤字)、純損益は29億円の赤字(同10億円の赤字)となる見通しだ。