[東京 6日 ロイター] – ニトリホールディングスが6日発表した2021年2月期の営業利益予想は前期比4.4%増の1122億円だった。新型コロナウイルスの影響を上期まで織り込んだ。
リフィニティブがまとめたアナリストによる営業利益予想の平均値1123億円と同水準で、実現すれば34年連続の増益となる。もっとも、新型コロナの終息時期によっては、予想が変動するリスクがある。
会見した白井俊之社長兼最高執行責任者(COO)は、新型コロナの今期業績への影響につき「まだまだ読みづらい。今期は上期で影響がある前提。できるだけ早く終息することを願っている」と述べた。
新型コロナの影響で、上期の既存店売上高は前年同期比で3.8%減を見込むが、下期は同1%増の予想で、通期では1.4%減と見ている。出店数54純増の661とすることを計画しており、全体で増益の予想とした。商品開発や足元で好調な電子商取引(EC)の強化も図る。
ただ、コロナの終息時期によっては、通期予想は変動し得る。同社のマレーシア、インド、バングラデシュ工場は4月12日まで稼働停止している。予定通り再稼働されない場合は、サプライチェーンに影響が出てくるという。
前提為替レートは1ドル104円。今後の相場動向について、似鳥昭雄会長兼最高経営責任者(CEO)は「100円くらいまで円高になると思っている。100円を切る可能性もある」との見方を語った。世界経済は米大統領選後の不況入りを見込んでいたが、足元の状況のまま不況になる可能性があると指摘し「世界的な大不況で、リーマンショック以上のことが起こる可能性がある」との見方を示した。
20年2月期の営業利益は同6.6%増の1074億円で33年連続の営業増益となった。会社予想は1040億円、市場予想は1074億円だった。新型コロナの影響や消費税率引き上げ後の消費心理の落ち込みはあったものの、家具・寝装品やキッチン用品、家電などが好調だったほか為替影響で売上総利益が改善した。
政府が明日にも緊急事態宣言を出す方向だが、今後の対応については「店舗の営業は、政府や各地域から発令された内容をもとに検討していく。本部では(従業員や顧客が)接触しないように業務したり、在宅勤務なども進めていく」(白井氏)と述べた。