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ユニクロ柳井正社長「アジアの人々が最高の服を着られる時代にしていきたい」

2019年8月期通期決算説明会で登壇したファーストリテイリングの柳井正会長兼社長。柳井氏は、海外展開の勢いが増す中、2020年に向け国内でも新たな出店を計画している。そんな柳井氏がめざすファッション企業の方向性とは?記者からの質問に答える柳井氏の言葉をまとめた。

「今から世界に出ていく」

――今期、主力のユニクロ事業で初めて、海外ユニクロ事業の営業利益が国内を上回る結果となりました。改めて振り返ってみて、海外事業を拡大してきた背景をお聞かせください。

柳井 海外展開は、中国をはじめとして勢いをもって進めてきました。先日、ミラノ1号店、インド1号店に行って、「いよいよ今から世界に出ていく。始まるな」という実感がありました。僭越ながら、ユニクロというブランドが世界中で受け入れられるようになってきたと思います。

――日韓関係の悪化で不買運動が続いており、韓国事業の売上が低迷しています。韓国事業の見直しは考えているのでしょうか。

柳井 (韓国事業の見直しは)まったく考えていません。われわれは、その国に行けば、その国の国民のために“本当によい服を、元気よく、明るく提供する”ということが大事だと考えています。この状況がずっと続くということはないと思いますので、日韓関係悪化の影響については、楽観的な考えを持っています。

2020年に向け東京に新店舗オープン

――サステナビリティについて、より具体的な取り組みが増えてきました。今、ファッション企業において、サステナビリティの必要性が高まっている理由を教えて下さい。

柳井 世界中でさまざまな問題があります。災害も多い。そういった中で、「われわれは、服屋としてどうあるべきか」ということを考えたときに「LifeWear」という“生活に密着した”“いつでもこの服があってよかった”という服を売っていきたいと思います。

 「日常生活のための服を着る」時代になったと感じています。そして、アジアの人々が(最高の)服を着られる時代になったのではないかと。私は、アジアの人々が最高の服を着られる時代にしていきたいと考えています。「LifeWear」はそういった考え方を示しています。

――2020年に東京五輪があり、サステナビリティの発信の場として重要になってきます。その場で、「LifeWear」のコンセプトやサステナビリティの考え方を発信するために、計画している取り組みはありますか。

柳井 いつも通りのことをいつも通りにやっていきます。幸いなことに、2020年夏季、2022年冬季開催の五輪で、スウェーデンの選手団にユニフォームを提供することになったので、そこでわれわれの服を発表したいと思っています。

 また、われわれのスポーツのグローバルアンバサダーと一緒に、それら品質の高い服を一般のみなさんにも提供したい。技術を生かし「LifeWear」をより高品質なものにしていきたいと考えています。まったく新しい特別な取り組みはないのですが、われわれは東京都内にかなり多くの店舗を出店しようと思っています。