大手居酒屋チェーンの店舗数が、新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから1356店減少したことがわかった。2022年1月から全国でオミクロン株の感染者数が急増しており、大人数での宴会ができないなど居酒屋にとって厳しい状況が続いている。
東京商工リサーチが上場主要14社の店舗数をまとめ、2月16日に発表した。コロナ前の2019年12月時点では14社合計で7200店だった店舗数は、21年末には5844店と18.8%減った。
四半期ごとの推移を見ると、20年4〜6月に522店減と大幅に減少。その後、四半期当たり150店舗超の減少で推移し、21年4〜6月以降は100店前後に縮小した。だが、21年10月に緊急事態宣言などが全面解除された後も閉店は止まらず、直近の21年10〜12月も114店減と底打ちしていない。
企業別で減少率が最も大きかったのは、「金の蔵」などを運営するSANKO MARKETING FOODSの50.0%減(108店→54店)だった。以下、JFLAホールディングス(HD)の44.3%減(843店→469店)、ダイヤモンドダイニングの親会社DDHDの30.3%減(435店→303店)と続く。
ワタミは居酒屋を閉鎖する一方、焼肉店とから揚げ店を出店するなど、一部企業は業態転換を図る動きもある。また、串カツ田中HDは家族連れやテークアウト需要を取り込むため住宅街へ積極的に出店、コロナ前に比べて唯一、店舗数が増加した。