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「2030年売上高1兆円」達成のカギとは? イズミ・町田繁樹社長が成長戦略を激白

中国・九州地方では、ディスカウントストア(DS)やドラッグストア(DgS)の出店が相次ぎ、競争環境がいちだんと厳しさを増している。こうしたなか、イズミ(広島県)は西友(東京都/楢木野仁司社長)から承継した「サニー」を起点に、24時間営業の有効性を検証するほか、プライベートブランド(PB)やデジタル戦略の強化にも着手している。

目標に掲げる「2030年に売上1兆円」の実現に向け、同社はどのような成長シナリオを描いているのか──。今年4月、イズミのトップに就任した町田繁樹社長に聞いた。

24時間営業のノウハウをグループ全体で展開へ

──現在の経営環境や競争状況をどのようにとらえていますか。

町田  西日本はDSやDgSの出店攻勢が激しく、競争は厳しさを増しています。また、昨今の物価上昇により、お客さまの節約志向はいっそう強まりました。当社でも、客数は回復傾向にあるものの、買い上げ点数は伸び悩んでいます。この状況下で成長を続けるには、競争相手を360度の視点で分析しながらきめ細かい戦略を講じることが不可欠です。

 また、当社は現在、食品事業が連結売上の6割以上を占めるまでになっています。そのため、食品スーパー(SM)事業の強化が戦略の大きな柱となると考えています。

イズミは西友から承継した「サニー」を起点に、24時間営業の有効性を検証するほか、PBやデジタル戦略の強化にも着手している(画像は「サニー博多住吉店」外観)

──24年8月に九州地方で「サニー」の店舗を西友から承継しています。現時点での統合の進捗について教えてください。

町田  現在はPOSや発注システムの切り替えを順次進めているところです。システムの変更にあたっては従業員の混乱を招かないよう、できるだけ西友に近い仕組みを維持するようにしました。このうち、物流やシステムはすでに切り替えが完了しています。今後はまだ改善余地が多い、人材教育の部分に注力していく方針です。

──そもそもサニーとイズミでは店舗運営や商品政策(MD)が根本的に異なります。どのように融合していくのでしょうか。

町田  単に、サニーにイズミのやり方を移植するのではなく、双方の強みを融合した新しい店舗運営モデルをめざしています。

 たとえば運営面では、サニーは店舗内の生鮮加工スペースが限られているため、イズミが得意とする店内加工・調理型のモデルをそのまま適用するのは困難です。そのため、サニーの店舗とともに西友から引き継いだ福岡市内のセントラルキッチンを活用し、アウトパックによる商品供給を中心としたオペレーションを維持しています。

 MD面では、西友のPBである「みなさまのお墨付き」などが、同社を買収したトライアルホールディングス(福岡県/永田洋幸社長)の取り扱いとなったため、加盟する日本流通産業(大阪府/大桑弘嗣社長:以下、ニチリウ)のPB「くらしモア」で代替しています。サニーでも「くらしモア」の売上は順調に推移しています。今後は、イズミが強みとする地場商品の導入を、サニーでも進めていく予定です。

 また、総菜については、サニーの既存顧客の離反を防ぐためにも、西友時代に親しまれていた味や仕様を踏襲することを基本としています。そのうえで、よりおいしさを追求すべく、素材や味付けの見直しを進めてきました。

 こうした取り組みは、承継の準備段階から開始しており、現在は各店舗への導入が進んでいます。実際に販売を開始した商品には、「味が変わった」「以前よりおいしくなった」といった声が寄せられており、お客さまの反応を見ながらさらなる改善を重ねているところです。

──サニーの一部店舗では24時間営業を行っています。このサニー独自の店舗オペレーションは今後どう活用・展開していきますか。

町田  サニーの24時間運営を通じて得られた知見をもとに、イズミグループの店舗でも深夜営業の導入拡大を検討しています。夜間人口や競合状況、採用コストなどの条件を総合的に判断し、収益性が見込める店舗において、段階的に導入していく方針です。

 実際に、サニーの店舗では深夜帯の売上が人件費や電気代を上回る店舗も多く確認されており、収益モデルとしての可能性があるとみています。今後は、こうした実績とデータを活用しながら、グループ全体への展開も視野に入れていきます。

9月をめどに自社PBを展開

──25年2月期決算説明会において、自社PBを本格展開する方針を明らかにしています。

町田  当社ではこれまで、業務提携関係にあるセブン&アイ・ホールディングス(東京都/スティーブン・デイカス社長)のPB「セブンプレミアム」や、ニチリウの「くらしモア」を展開してきましたが、

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