初年度、順調な立ち上がりとなった「グリーンビーンズ」。今後サービスを拡大していく中で取り組むこと、課題、今後の展開について、イオンネクストの野澤知広副社長への取材を元に一問一答形式でまとめた。
取材は2024年7月3日
高いバスケット単価が意味すること
──サービス開始から1年。当初の想定と異なる点は
野澤 2点ある。1点目は、バスケット単価が最初から高いという点。サービス開始初期は一般的なネットスーパーと同様の7000~8000円程度でリピーターが増えるにつれバスケット単価が伸びてくるものとみていたが、最初から1万円程度という高いバスケット単価で、かつずっと伸び続けている。
2点目は23区内などイオンの店がないエリアは最初苦戦すると思っていたが、むしろお客のニーズと合致してお客を獲得しやすいエリアだという点だ。
──継続顧客の割合「50%」についての評価は
野澤 「リアル店舗の補完」にとどまると50%には届かないだろう。その意味で、リアル店舗とは異なるサービス、機能が支持されている証拠だ。2本柱の「鮮度」と「配送」が支持を得ており、「鮮度+」商品のリピート率はきわめて高い。
その結果、4回分のクーポンを使った後の定着率も非常に高い。このクーポン設計はオカドのノウハウで、海外のほかのオカドパートナー企業の実績に裏打ちされたものだ。
──新規顧客獲得の販促は
野澤 基本はこれまでの販促をブラッシュアップしながら行っていく。重要なことは、強みである商品と配送の特徴を打ち出すことだ。
一方で、一気にお客さまの数を増やせばいいというものでもない。配送効率を重視しないと儲からないビジネスモデルだからだ。当初は大々的に販促を打ち、顧客を集めた結果、注文が集中して配送枠が先まで埋まりお客さまにご迷惑をかけたこともあった。現在は段階的にエリアを広げているうえ、配送料金でダイナミックプライシングも導入して、バランスをコントロールしている。
店舗は「フロー」型だがグリーンビーンズは「ストック」型のビジネス。リピーターのバスケット単価と利用頻度を上げていきながら、新規も獲得していくことで、加速度的に売上を伸ばしていくことができる。
店舗、ほかのネットスーパーとはすみ分け
──イオンのリアル店舗や店舗出荷型ネットスーパーとのカニバリをどうみるか
野澤 「まったくないか?」と言われれば、
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