トライアルグループにおいて「リテールDX」の実現を担う中核会社・Retail AI(東京都)。外部企業との連携も深めながら、購買データの分析やAI活用、買物体験を向上させるデバイス開発・運用などを行っている。トライアルHDのIPO(新規上場)という大きな出来事を経て、どのような成長戦略を描くのか。トライアルグループの次代を率いる、Retail AIの永田洋幸代表取締役CEOに聞いた。
株式上場は一つの節目でしかない
──2024年3月、東京証券取引所グロース市場に上場しました。中核事業会社のトップとしてどう受け止めていますか。
永田 株式上場はトライアルグループの歴史上の一つの節目でしかありません。浮かれることなく、地に足を着け、達成すべき目標に向けてしっかりと進んでいくことが大事です。むしろここから壮大な成長ストーリーが始まるのだと考えています。
一方で上場を機に、グループ全社員の意識が変わったことは確かです。日々変動する株価というわかりやすい指標によって「トライアルがどのように評価されているのか」が可視化され、モチベーションの向上にもつながっています。上場企業として、ステークホルダーの皆さまへの情報開示と説明責任を果たしながら、企業価値向上に取り組んでいきたいと、気が引き締まる思いです。
──上場によってRetail AIの事業成長性も求められることになります。
永田 先日お会いした機関投資家の方からも同じような期待の声をいただいており、Retail AIのトップとしてもさらなる成長に向け決意を新たにしているところです。
ただし、Retail AIはこれまでも高いハードルを設けて成長を続けてきた自負があります。そのため、トライアルHDの上場を機に成長戦略が大きく変化するということはありません。
月並みな言い方かもしれませんが、これまで推進してきた経営戦略や事業計画をもとに、これからもするべきことを「粛々と」進めていく考えです。
──Retail AIを取り巻く事業環境をどのように認識し、今後どのようなステップで成長を続けていきますか。
永田 われ
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