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2024年、食品小売業の潮目が変わる! 物流変革は商品の変革

悪しき商慣習変えないと取引先から見放される

 2024年、食品小売業は物価上昇、実質賃金の減少、労働力不足、物流問題、デジタル・トランスフォーメーション(DX)といった多様な課題に直面している。これらの課題が、価格競争の激化と企業間の格差拡大につながり、「食品ディスカウント」業態もより拡大していく。その結果、旧態依然とした食品小売業の淘汰が加速し、企業の合併・買収(M&A)も加速することになる。

 この状況の中で生き残るには、大手企業も含め、食品小売業のドグマ(過去からの悪しき慣習、独自の理屈)を克服し、地道な「フィールドワーク」(現場での実証実験)を通じて「数値での変化に徹底して取り組む」ことが必要だ。これからは、部分最適化物流から全体最適物流への転換が求められ、生産から消費者の手に渡るまでのコスト競争の時代が、本格的に幕を開けるのだ。

 1980年代後半から90年代初頭、アメリカの小売業界はバーコード、POSレジ、EDIの導入により、在庫管理と流通の効率化を実現した。この動きは、衣料品から日用雑貨まで拡大し、大手小売業者によるクイックレスポンス(QR)運動へとつながった。QRは、製造から小売までのプロセスでのロス削減(値下げ、機会ロス、在庫コストなど)の目的から、ウォルマートなど大手小売業者に広く採用された。この戦略は、ディスカウントストア(DS)業界の新業態開発やグロサリー業界のECR導入を促し、業界全体に大きな変化をもたらした。

 一方、日本はこの波から30 年以上取り残されており、 2024年の物流問題、労働者不足、賃金の上昇といった課題に直面している。それでも「働き方改革」を契機に、前向きな企業は、消費者にとって効率的な流通を実現しており、生産性を改革する絶好の機会となっている。

2024年における食品小売業界の最大の課題は「物流の2024年問題」だ(写真はイメージ andresr/istock)

 食品小売業が、他の企業やフォーマットに侵略されるのは、不合理な慣習があるからだ。不透明なリベート制度や協賛金、2分の1ルールなどの取引条件や強引な返品などだ。古くからある自社に有利な商習慣や既得権益を温存することで、

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