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第104回 多様性の時代、接客ロープレに求められる意義とは

コロナ禍で中止されていた接客ロープレコンテストが再開された。今回は、この接客ロープレコンテストについてご批判を覚悟でテーマにしたい。ただ、接客ロープレに否定的でないことは予め伝えておきたい。

DGLimages/istock

ロープレは有効な活動

 ロープレとは、ロールプレイングの略であり、研修などoff-JTの場で業務を疑似体験し新人教育や中堅社員の技術向上を目的に行われる。その代表例が、消防訓練や避難訓練だが、東日本大震災の時、前日が避難訓練だった商業施設では遅滞なく避難できたと聞く。やはり「備え有れば憂いなし」ということだろう。

 その他、営業職がトークスクリプトを下に研修し成約率を向上させるロープレやSCテナントリーシング研修でも、交渉のロープレをプログラムに取り入れる。その中で接客ロープレとは、店舗の販売員の接客技術の向上のために行う研修であり、客との接客シーンを疑似体験する実践的な研修である。

 一方、接客ロープレコンテストとは、客に扮した役者を相手に壇上で販売員が接客を演技し、審査員が審査・評価、順位を付けるイベントである。

 SCが接客ロープレコンテストに取り組むリスク

① SCとテナントの役割と責任

 改めてSCは不動産賃貸業である。多額な費用により建設したSC(賃貸人)をテナント(賃借人)に賃貸、安全な営業と集客により販売機会を提供する。テナントは、SCと協力し、売上を最大化し賃料を支払いSCの成長に寄与する。この双方の役割責任が50年も続くSCビジネスモデルの強みであり(図表1)、接客力はテナントの責任に属する。

図表1 SCとテナントのリスク負担

SC

項目

テナント

不動産業

業種

小売業、飲食業他

商品リスク

在庫リスク

雇用リスク

不動産リスク

空室リスク

② 実効性への疑問

 「昨年、優勝した店舗のコンサルタントは誰ですか?」この質問に代表されるようにコンテストは優勝が目的化する。これもモチベーションの一つだが、実際、そこで一位になった店舗が売上一位かと言うとそうとも限らず、人出不足の折、シフトを回すことが手一杯で店長会すら出られない状況でコンテストへ手を挙げるテナントは限られ一部の活動となっている。

③ テナント業種の多様化

 以前のSCでは

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