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主要SM2025年2月期決算 原材料費、物流費など高騰続き利益面で明暗分かれる

主要食品スーパー(SM)の2025年2月期決算が出揃った。原材料費、物流費など、あらゆるものの高騰が続き、各社が価格対応を進めたが、利益面で明暗が分かれる結果となった。

本稿ではライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長:以下、U.S.M.H)、アークス(北海道/猫宮一久社長COO)の本決算をレポートする。

営業利益、経常利益はコロナ禍で内食需要が急増した21年2月期に次ぐ過去2番目の高水準で、当期純利益も過去最高を更新した

ライフコーポレーション

営業収益、純利益は過去最高

 ライフの25年2月期連結業績は、営業収益8504億円(対前期比5.0%増)、営業利益252億円(同4.8%増)、経常利益262億円(同5.0%増)、当期純利益179億円(同6.0%増)で増収増益だった。

 営業収益は21期連続の増収で過去最高を更新、首都圏の売上高が初めて近畿圏を上回った。営業利益、経常利益はコロナ禍で内食需要が急増した21年2月期に次ぐ過去2番目の高水準で、当期純利益も過去最高を更新した。

 期中はプライベートブランド(PB)など独自商品の拡充や値ごろ感のある価格対応を進め、既存店売上高が同2.8%増、客数は同1.4%増となった。買上点数は同1.4%減少したが、1点単価の上昇により客単価は同1.3%伸びている。

 粗利益率は31.1%で、同0.2ポイント(pt)減少した。これは畜産物やコメの価格上昇に加え、上期に価格訴求を優先した販促策を展開した影響による。物価高の中で、上期は粗利益率を下げることで価格対応を強化。その結果、上期の粗利益率は同0.4pt減の30.7%とやや想定を下回ったものの、下期に価格のバランスを見直したことで減少幅を縮小している。

 出店戦略では、25年2月期中は「ソコラ所沢店」(埼玉県所沢市)、「ビオラル国立駅前店」(東京都国立市)など11店を新設し、「南津守店」(大阪府大阪市)など6店を改装。2店を閉店した。

 PBの好調も好業績に寄与している。25年2月期のPB全体の売上高は約800億円で、同6.4%増加した。なかでも、近年強化している自然派PB「ビオラル」は同30%増の約90億円と、伸長が際立った。岩崎高治社長は「高価格帯ではあるが、健康志向商品の中では価格競争力がある。物価高を受けて、今後もむしろ伸びていくだろう」と自信を見せる。また「ビオラル」屋号の専門店の出店にも力を入れており、人流の多い都心部への小型店出店を推進する。26年2月期に入ってからも「ビオラル新宿京王百貨店」(東京都新宿区)などすでに3店をオープンしている。

 他方、

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