東京都・千葉県・埼玉県に食品スーパー(SM)48店舗を展開するサンベルクス(東京都/鈴木秀夫社長)。東京・足立区の青果専門店から着実に成長を続け、最新期の決算では売上高を1000億円の大台に乗せた。競争激しい首都圏でサンベルクスはどのように成長を重ねてきたのか。本誌おなじみのアイダスグループの鈴木國朗氏がサンベルクス新店の売場づくりから同社の強さを解説する。
1都2県に48店舗を展開 売上高1000億円突破!
サンベルクスは、1968年に東京都足立区で開業した青果店を母体とし、「スーパーベルクス」の屋号で1都2県に計48店舗を展開する(2024年6月時点)中堅チェーンだ。23年度(24年2月期)の売上高は1089億円と初めて1000億円を突破し、35年度までの長期ビジョンでは「売上高2000億円」を目標に掲げている。収益性も業界屈指の高さを誇り、ダイヤモンド・チェーンストア誌23年9月15日号「日本の小売業1000社ランキング」によれば、サンベルクスの売上高純利益率は4.7%とSM3位のポジションにある。
今回の調査で非常に驚かされたのは、サンベルクスが「日常づかいのSM」として消費者の日常の食事に寄り添った商品をきちんと品揃えし、値ごろ感のある価格でしっかり売るというSMにとって“普通のこと”を徹底している点だ。消費者ニーズを真に追求している企業との印象を強く受けた。
今回調査した「ベルクス杉戸店」(埼玉県北葛飾郡:以下、杉戸店※24年5月17日オープン)では、月曜日の朝にもかかわらず、開店を待つ人々の行列ができていた。このことからも、顧客満足を追求し、客数を着実に伸ばしていることがうかがえる。
主要部門の売場を見ていくと、青果では、
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