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アナリストが評価するコンビニ3社のいまとこれからの注目点とは

コンビニ「再」成長戦略

コンビニエンスストア(CVS)大手3社の2023年度の決算や今度の成長施策を、専門家たちはいかに見ているのか。証券アナリストの2人に見解を聞いた。
※ファミリーマートは2020年11月に非上場化し株式を公開していないため、セブン-イレブン、ローソンを中心とした解説となっている

市場回復とは言い難い新たな成長施策も、先行きは不透明

SBI証券
シニアアナリスト
田中 俊

 CVS大手3社の2023年度の業績は概ね堅調であった。コロナ禍からの社会経済活動の再開によって人流が活発化したことに加え、インフレに伴う商品単価の上昇により客単価も増加した。

 しかしながら、国内のCVS市場がコロナ禍以前の水準まで回復しているとはいえない。既存店の客数はコロナ禍以前の9割程度までしか戻っていない。また近年は新規出店がほとんど進まず、期末店舗数はセブン-イレブン、ローソンでほぼ横ばい、ファミリーマートではコロナ禍以前から減少している。

 その要因として、コロナ禍を機にテレワークが一定程度定着し、CVSの利用頻度が低下している点が挙げられる。また、市場を強く牽引するような商品・サービスが出現していない。国内のCVS市場はすでに成熟化しており、新たな市場を創出する商品・サービスを見出していかなければ、成長性は望みにくいだろう。

 セブン-イレブンは22年1月以降、フェアを連続的に実施し、客数と客単価を順調に伸ばしてきたが、24年初め頃から既存店売上高の伸び悩みに懸念がある。消費者の節約志向が強まるなか、同業他社に比べて割高感が出ているとみることもでき、価格を重視する客層に対応した商品政策が求められる。この観点でローソンは、

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