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サミット服部哲也社長が語る 新たな人事制度への挑戦とネットスーパー戦略とは

食品スーパー(SM)大手のヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)とサミット(東京都/服部哲也社長)は2023年12月、毎年恒例の年末合同記者会見をそれぞれ開催した。23年は5月に新型コロナウイルスが感染症法上5類に移行したことで経済活動が回復。また各種コスト増に起因する商品価格の値上げも売上を 押し上げ、SM業界の業績は高水準で推移した。しかし、深刻化する人手不足や「物流の2024年問題」 など、24年も多くの課題が待ち受ける。ヤオコー、サミットの経営トップは激動の23年をどう振り返り、新年に向けてどのような展望を描いているのか。会見での発言を抄録する。

サミット 服部哲也社長

サミット 服部哲也社長

 23年度は既存店売上高が前年と比較し高い水準で推移した。コロナ収束に伴い客数も伸びている。ただ、コロナ禍以前の実績と比較すると、決してサミットが業界のなかでとくに成長しているというわけではなく、反動増の域を出ていないと考えている。しかし、既存店売上高が対前年同月比で107%前後という高水準の数値は、従業員のモチベーション向上という点でよい効果をもたらしている。

 23年は新規出店を2店にとどめた一方で、春以降、月に1店ほどのスピードで店舗改装を進めてきた。既存店売上高の好調は積極的な改装に起因するものではないかとも言われるが、改装していない店舗も売上の水準は高い。最も大きな好調要因は商品価格の値上げが消費者に浸透したことだろう。商品単価の上昇が全体業績を押し上げている。

 もう1つの要因としては、前期までの中期経営計画「GO GREEN 2022~社会に必要とされる新しいSMの創造~」のもと、「生きる糧(かて)を分かち合う店」というサミットがめざすべき店のビジョンが組織に浸透し、現場での従業員同士の連携や、店舗ごと、従業員ごとに自ら考えて行動できる組織づくりが進んでいることがある。

 たとえば従業員の連携を表す事例では、サミットでは年2回7連休の取得を推奨しており、現場の従業員同士でシフトや業務をカバーすることで、その取得率は98%ほどまで高まっている。

サミットでは年2回7連休の取得を推奨しており、現場の従業員同士でシフトや業務をカバーすることで、その取得率は98%ほどまで高まっている。

 こうした組織づくりの次の施策として、今後は人事制度も変えていく必要があると考えている。

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