関西の小売市場では、ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)が店舗網を拡大し、オーケー(同/二宮涼太郎社長)も自力での出店を控える一方、地場の食品スーパー(SM)は大手流通グループを軸とした再編の動きが進む。そんな激変の市場において、万代は、そして各SMはどう戦っていくのか。有識者や業界関係者、そして関西在住の消費者の見方も交えながら考察してみる。
拡大する関東勢と再編加速する関西勢
思えば20年9月のロピア進出の前後から、関西の小売市場は大きな変化の渦中にあったのかもしれない。とくに一般メディアでもセンセーショナルに報じられたのが、オーケーが21年9月、関西スーパーマーケット(兵庫県:以下、関西スーパー)に対する買収提案を発表したというニュースだ。
しかし同社は関西地盤の流通大手エイチ・ツー・オー リテイリング(大阪府:以下、H2O)との経営統合を発表。関西スーパーをめぐるオーケーとH2Oの“争奪戦”の末、H2Oに軍配が上がった。しかしオーケーは22年10月、関西への自力での出店を発表。24年前半をめどに、大阪府東大阪市内に「関西エリアにおける旗艦店」を開業するとした。
一方、これら“関東勢”を迎え撃つことになる関西地盤の食品小売業では、大手流通グループを軸とした合従連衡・再編の動きが進む。
既述のとおり関西スーパーが傘下に入ったH2OではSM事業を再編。22年2月に中間持ち株会社の関西フードマーケット(兵庫県)を設立し、そこに関西スーパー、阪急オアシス(大阪府)、イズミヤ(同)が連なるかたちをとった。さらに23年4月にはイズミヤと阪急オアシスが経営統合し、イズミヤ・阪急オアシス(同)に商号変更している。
イオン(千葉県)系列では、20年1月にダイエー(東京都)が光洋(大阪府)を完全子会社化。さらに大阪府を中心に生鮮特化型SMを展開するヤマタと八百鮮が21年11月、バローホールディングス(岐阜県)の子会社となったことも、業界関係者の注目を集めた。
こうした動きを受け、ある業界関係者は
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