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オススメの一冊『外食を救うのは誰か』

『外食を救うのは誰か』
『外食を救うのは誰か』
鷲尾龍一=著(日経BP刊/1600円〈本体価格〉)

 外食産業は、コロナ禍で事業環境が大きく変化した業界の1つだ。コロナ禍初期は感染拡大防止のために営業時間の短縮や休業要請に従うことを余儀なくされ、テイクアウトやデリバリーの急速な需要増への対応にも追われた。しかし外食産業はコロナ禍で急に苦境に立たされたのではなく、それ以前から危機に瀕していた。本書は、飲食店を取り巻く多くの課題を明らかにするとともに、再成長に向けたヒントを提示する1冊だ。

 本書は全8章構成で、外食産業の歴史を概観するほか、流行に依存した出店やグルメサイトの功罪、採算性の低さ、オーバーストア、人手不足など、外食産業に関する多くの課題が詳しく解説されている。

 第8章「人手不足に負けない店」では、従業員の労働環境改善やモチベーションアップに取り組み、定着率を高めていくための事例が紹介されている。たとえば、飲食店の覆面調査で顧客満足度1位を獲得したお好み焼き店は、お客がスマホで従業員にチップを払うことができる「ごちっぷ」というシステムを導入。チップの金額は微々たるものだが、同時に送ることができるメッセージが従業員の活力になっているという。

 本書は外食産業に携わる人はもちろん、サービス業が課題を乗り越えるヒントが散りばめられている。本書を読み、現状を打破するための参考にしてはいかがだろうか。

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