大創産業は食品スーパー(SM)やホームセンター(HC)など、他の小売チェーンの店舗への出店も進めている。一般的なテナント出店のほか、小売店から売場スペースと精算レジを借り受けて運営する通称「レジ流し」、小売企業と代理店契約を結び商品の供給のみを行う「販売代理店制度」など、ユニークな方式・形態での出店も行っているのが特徴だ。本稿では、「レジ流し」「販売代理店制度」を導入しているSMとHCの2社を取材。どのようなメリットを得ているのか、出店先の視点から分析してみた。
ケーススタディ❶
コモディイイダ
ダイソーの導入で非食品売場をテコ入れ
東京都に本拠を置き、埼玉県、千葉県、茨城県の1都3県でSMを展開するコモディイイダ(飯田武男社長)。同社が「レジ流し」の方式でダイソーを導入したのは22年4月のことだが、その経緯は少しユニークだ。
もともとコモディイイダは、SMとしては衣料品や日用雑貨など非食品のスペース構成比が高いチェーンである。2層構造の店が多く、1階に食品、2階に非食品を配置するのがスタンダードなレイアウトとなっていた。
しかし、ファストファッションや専門店、ECの台頭によって非食品の売上高構成比は年々減少。「極端な例では、食品と非食品がスペース比率では1:1とほぼ等しいにもかかわらず、売上比率では9:1という店も出てきていた」と話すのは、執行役員販売促進企画室統括部長の会沢陽之介氏。食品に売上が偏重していくなか、非食品フロアをどうテコ入れするかは積年の課題となっていたのだ。
そんななかでアクションを起こしたのは意外にも、当時生鮮統括部長を務めていた人物だった。自宅近くの競合SMの店内に「ダイソー」が出店したことで、店舗全体が賑わっているのを目にし、その集客力の高さに衝撃を受けた。
直営の非食品売場の一角にダイソーの店舗を導入することで、店舗全体を活性化できないか──。大創産業のホームページの「お問い合わせ」フォームからすぐに直接連絡をとったという。
導入店舗の売上20%増!競合対策にも絶大な効果
その後社内や大創産業との調整を経て、「レジ流し」方式
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