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山梨のスーパー「いちやまマート」のPBが、全国65社が取り扱うブランドに変身した理由

ローカルスーパー大

「健康的な食生活が幸せをもたらす」を理念に、山梨県全域で食品スーパー(SM)を展開するいちやまマート(山梨県/三科雅嗣社長)。同社はプライベートブランド(PB)「美味安心」を軸とする健康提案に昔から力を入れるほか、最近はレシピ動画を中心としたメニュー提案型の売場づくりにも取り組む。

いちやまマートの強さのポイント

  1. 健康志向のPB「美味安心」
  2. 地元生産者によるオーガニック野菜
  3. レシピ動画を軸としたメニュー提案型売場

人口減少エリアでシェア拡大に注力

 いちやまマートは店舗面積約600坪を基本フォーマットに、現在は16店舗(山梨県14店舗、長野県2店舗)を運営しているSM企業だ。

本部に併設している「いちやまマート玉穂店」

 同社の事業エリアである山梨県は首都圏と比べて新型コロナウイルスの感染者は少なかったものの、2021年2月期は巣ごもり需要の高まりや内食回帰の恩恵を受け、売上高は対前期比5.3%増の265億円と、ここ数年の横ばい状態から売上を伸ばした。「旅行や外食に行けなくなったぶん内食需要が高まり業績も大きく伸びたが、今年度は反動で落ち込んでいる」と三科社長は語る。「徐々にコロナ前に戻っている」(三科社長)とのことで、精肉部門では、去年に比べて牛肉の動きが悪く、代わりに安価な豚肉・鶏肉が売れているという。

三科雅嗣社長

 三科社長は、「コロナ禍での消費者の生活様式の変化への対応も重要」だとしながらも、「先に向き合うべき問題がある」と語る。それは事業エリアの人口減少だ。山梨県は東京都に隣接する4県(他は千葉県、埼玉県、神奈川県)の中で、唯一人口が減少しており、高齢化の進行も速い。第1次商圏も、他のSMよりやや広い半径1.5㎞圏を想定しなければ、十分な商圏人口を確保しにくくなっている。こうした厳しい環境下で県内でのシェアを高めるため、いちやまマートはコロナ以前から数々の施策に取り組んできた。

外販も行うPB「美味安心」

 同社が差別化戦略として商品政策の中心に据えているのが、

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