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生鮮含め衣食住揃う300坪未満の小型店が人口減の町・村の救世主?DCMニコットの戦略

人口減大

人口が少ないエリアで成立するフォーマットをつくるには、商圏内に住まうお客の「ウォレットシェア」を高め、オペレーションコストを低減しなければならない。これをめざすのが、売場面積300坪以下で衣食住をフルラインで揃える異色の店舗「ニコット」だ。ホームセンター(HC)大手のDCM(東京都/石黒靖規社長)子会社、DCMニコット(北海道/上田常世社長)の戦略をまとめた。

ホームコンビニ、ニコットとは!?

 大型店が出店する“街”から数十キロ離れた、小さな町や村。近隣にスーパーマーケット(SM)などはない。北海道内でこうした場所を訪れると、そう低くない確率で、町の出入口の幹線道路沿いに、赤い看板のコンパクトな店を見つけることができる。

売場面積300坪を基本とするニコット、106店舗を展開する
DCMニコット上田常世社長

 外売場には木材や花苗などが並び一見ホームセンター(HC)のようだが、店内に入って目の前に広がるのは生鮮3品を含めた食品売場。その先には、衣料品も並んでおり、さらに日用品コーナーを進めば、家電やソファ、補修用品、作業用の道具・工具まで揃う。

 わずか300坪の売場の中に衣料・食品・住居関連、農業や林業に従事する人の仕事道具まですべて取り揃える。これが「ニコット」だ。

 DCMニコットは、商圏人口数千人規模の町村部をメーンに出店してきたツルヤが前身。その後2003年にホーマック(現・DCM)と資本・業務提携を結び、同社傘下となる。06年に新業態であるホームコンビニ1号店を開店。ホーマック傘下入りから10年経った13年9月に商号をホーマックニコットへと変更し、その時期から展開エリアを秋田・岩手両県にも広げて事業拡大を速めている。

 21年2月期の売上高は200億3900万円で、店舗数は106店舗。商号変更から7年で店数は倍増した。現在、北海道67店舗、青森県15店舗、岩手県5店舗、秋田県11店舗、山形県3店舗、茨城県5店を展開、宮城県への出店も予定している。今年3月には、DCMの100%子会社となり、商号をDCMニコットへと変えたばかりだ。

独自の便利フォーマット ホームコンビニ

 DCMニコットの経営方針は「小さなまちに大きな便利を届けます」。ホームコンビニを標榜し、大きく2タイプの店舗を展開する。いずれも300坪クラスの小型店だが、商品構成が大きく異なる。1つめが「C型」と呼ぶ、HCの品揃えをコンパクトな売場に凝縮させたミニHC。必要商圏人口は

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