メニュー

イオン、25年度にデジタル売上げ1兆円・海外営業利益比率25%目指す

イオンのロゴ
4月9日、 イオンは第4・四半期(2020年12月―2021年2月)に同社グループが保有する店舗に関わる固定資産の減損損失462億円を計上したと発表した。写真はイオンのロゴ。千葉市で2016年11月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 9日 ロイター] – イオンは9日、2026年2月期を最終年度とする中期経営計画において、デジタルとアジアシフトをさらに加速させる方針を示した。26年2月期のデジタル売上高は1兆円(20年2月期は700億円)に大幅に拡大させるほか、20年2月期には20%だった海外営業利益比率も25%に引き上げる。

26年2月期の営業収益は11兆円、営業利益は3800億円、ROE(株価収益率)7%(20年2月期は2.5%)などの目標も示した。

吉田昭夫社長は会見で、デジタル進化はグループで最も重要だとし、Eコマースやネットスーパー、セルフレジ、店舗オペレーションの効率化、顧客データの活用などを進める考えを示した。デジタル売上高は「国内リアル小売りでトップクラスを目指す」と述べ、 価格競争に陥らず、競争力を高めるうえで重要と位置付けるプライベートブランド(PB)は現行の倍増の2兆円を目指す。

アジアでは、5年間でイオンモールを20店舗出店。営業利益は19年度比2倍強に伸長させる。

投資はこれまでと同水準の年4000億円―4500億円を継続するが、投資先は、デジタルや海外の新店投資中心に振り向ける。

21年度営業益はコロナ前水準へ

2022年2月期の連結営業利益は2000億円―2200億円となる見通し。前年比では32.8%増―46.1%増となる。新型コロナウイルスの影響を大きく受けた前期に比べて改善を見込み、予想の上限ならば、コロナ前の20年2月期の2155億円水準に戻る。

IBESのコンセンサス予想によると、アナリスト8人の通期営業益予想の平均値は2197億円となっている。

吉田社長は「去年の秋口から消費者の価格感度は上がった」と述べ、2極化が進んでいるとの認識を示した。

21年2月期の連結営業利益は前期比30.1%減の1505億円、純損益は710億円の赤字(前期は268億円の黒字)だった。20年12月―21年2月に同社グループが保有する店舗に関わる固定資産の減損損失462億円を計上。これを含め、通期では特別損失1128億円を計上し、純損益は710億円の赤字と、前期の268億円の黒字から赤字転落した。

通期の営業利益は前期比30.1%減の1505億円、営業収益は横ばいの8兆6039億円となった。