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ファーストリテイリング21年8月期上期決算 大幅増益となるも海外ユニクロ事業は苦境続く

ファーストリテイリング(山口県/柳井正会長兼社長)は4月8日、2021年8月期第2四半期(上期)の決算(IFRS)を発表した。連結ベースでは計画を上回る大幅な増益を記録。売上収益は1兆2028億円と対前年同期比で0.5%減少したものの、営業利益は1678億円、同22.9%増となり、好調な結果となった。

主力のユニクロ事業、国内好調・海外苦戦続く

 ファーストリテイリングの主力事業であるユニクロ事業では、好調な国内に対し、苦戦する海外の構図がはっきり見える結果となった。

 国内ユニクロ事業は、上期売上収益4925億円(対前年同期比6.2%増)、営業利益978億円(同36.6%増)と増収増益。とくに、値引き販売の抑制や原価率の改善施策が功を奏し粗利率が改善、増益幅の拡大に貢献した。上期既存店売上高は同5.6%増で、ラウンジウェアやヒートテック毛布など在宅需要に応えた商品や、ジョガーパンツなどスポーツウェアの販売が好調だったことが主な要因だ。また、Eコマース(EC)売上高は837億円で、同40.5%と大躍進、売上構成比は15.0%まで拡大した。

 一方、落ち込みが目立つのが海外ユニクロ事業だ。中国やベトナムなど、一部の地域では増収増益となったが、その他のアジア地域や北米では大幅減収となった。いずれも新型コロナウイルス対策として随時行われているロックダウンや外出規制のため、臨時休業などを余儀なくされているためだ。ただしECは好調で、オーストラリアではEC売上高が同約80%増加するなどした。

 また、ジーユー事業はほぼ計画通り、前年並みの業績となった。営業収益1326億円(同0.3%増)、営業利益158億円(同0.4%増)と堅調な着地。リバーシブルのスウェットやフレアパンツなど、流行を捉えた商品の販売が好調だったことや、EC売上高が約40%増収となったことが、都市部での客数減少をカバーする形となった。

 その他、「セオリー(Theory)」「コントワー・デ・コトニエ(COMPTOIR DES COTONNIERS)」などのファッションブランドを扱うグローバルブランド事業は大幅減収、一部では営業赤字となり計画を下回る結果となった。値引き販売の強化による粗利率の悪化や、海外店舗の臨時休業・時短営業が響いたとみられている。

通期計画を若干上方修正、大幅な増収増益を予想

 上期決算結果を受け、ファーストリテイリングは通期計画を若干上方修正した。修正後の計画では、通期売上収益2兆2100億円(同10.0%増)、営業利益2550億円(同70.7%増)と大幅増益を見込む。国内ユニクロ事業は引き続き増収増益を維持、海外ユニクロ事業は今後も断続的にコロナによるロックダウンなどの影響を受けることを織り込みつつも、下期は増収幅が拡大するとしている。また、ジーユー事業では直近3月の業績が回復、コロナの影響がなかった2年前と比較しても増収傾向にあることから、通期では大幅な増収増益を予想している。

 国内ユニクロ、ジーユー事業では3月12日、商品価格を総額表示に変更するにあたり、これまでの本体価格をそのまま税込価格とする対応を実施した。社内からは減収を懸念する声もあったが、「値引き販売の抑制や原価低減の取り組みによって大きな影響は出ない」(ファーストリテイリング取締役 グループ上席執行役員CFO 岡﨑健氏)と見込んでいる。

 決算説明会に出席した柳井正会長兼社長は、「人々にとって良い企業であればあるほど大きく成長する。(ファーストリテイリングは)今こそ原点に帰り、服によって世界中の人々を幸せにする企業になる」と説明会を締めくくった。