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凋落続く百貨店業界の相関図、苦境の地方百貨店に異業種が食指伸ばす展開に

相関図大

 百貨店業界は昨年来の新型コロナウイルス(コロナ)禍で頼みのインバウンド(訪日外国人)消費が激減、厳しい冬の時期を迎えている。そうしたなかで店舗数の減少が顕著だ。2020年末時点の全国の百貨店店舗数は196店で、10年の261店と比べ約70店減っている(日本百貨店協会売上高概況より)。

 ここ最近は業界全体を揺るがすような“大再編劇”は見られないが、苦境に立つ地方百貨店をめぐっては合従連衡の動きも出ている。

 今年3月、東急百貨店(東京都)の連結子会社だったながの東急百貨店(長野県)について、東急グループの事業持株会社である東急(東京都)が株式交換方式で6月に完全子会社化することを発表。グループの経営リソースを生かしながら、構造改革を進めるとしている。

百貨店の店舗数の減少が顕著だ。2020年末時点の全国の百貨店店舗数は196店で、10年の261店と比べ約70店減っている(日本百貨店協会売上高概況より)。(写真はイメージ)

 同じ3月には、名古屋鉄道(愛知県)が、石川県金沢市で「めいてつ・エムザ」を運営する完全子会社の金沢名鉄丸越百貨店を、茨城県を本拠にディスカウントスーパーを展開するヒーローに売却。金沢名鉄丸越百貨店はコロナ禍で業績が大きく低迷しており、自社での再生を断念した格好だ。一方でヒーロー側は不動産管理事業や飲食事業も展開しており、「めいてつ・エムザ」に不動産価値を見出したと思われる。

 また、20年2月にはパン・パシフィック・インターナショナル(東京都:PPIH)が宮崎県で百貨店、ホテルなどを展開していた橘ホールディングスを取得。同社の店舗を同年11月に「MEGAドン・キホーテ宮崎橘通店」として改装オープンしている。

 コロナ禍の終わりの気配が依然として見えないなか、コロナ前から青息吐息だった地方百貨店に残された体力はそう多くない。地方部を中心に閉店ドミノが続く可能性も高いだろう。同時に、ヒーローやPPIHのようなディスカウンターが百貨店に食指を動かすというケースも増えていくかもしれない。

百貨店業界相関図

クリックすると画像が拡大します。該当の図表は電子書籍版(4/15より公開)でもご覧いただけます。